Windows 10への移行は「イマでしょ!」と言える理由:Enterprise IT Kaleidoscope(3/3 ページ)
早くもWindows 10の次のアップデートとされる「RedStone」のプレビューが本格的に始まった。まだ多くの企業がWindows 10への移行に踏み切れないでいるが、このタイミングにおいて企業はどう考えるべきだろうか。
Windows 10への移行を拒んでも仕方ない
IT管理者はこの機会に自社のシステムの洗い出しをすべきだろう。例えば、以前に導入した指紋認証デバイスなどがきちんと活用されているのかを確認し、Windows 10でもセキュリティ面を担保する代替え手段があるかどうか検討したい。Windows 10なら顔認識などのセキュリティ機能がデフォルトで入っているので、カメラ内蔵のノートPCなどのおけるセキュリティ面は、以前の指紋認証よりもセキュリティレベルが高い。
アプリケーションに関しても、Windows XP時代からのソフトをそのまま動かすのでは無く、代替え手段がないのか、もしくは年に数回しか利用しない、利用する部署が限られているなどを正しく把握して、代替え手段を考えるべきだ。今までのアプリケーションや周辺機器を単に引き継ぐだけでは無く、新しいアプリケーションやデバイスへの移行を考えたい。「なぜ、このアプリケーションが導入されたのか」「どんな問題を解決するためにこのアプリケーションが必要なのか」といった基本的なところから検討し、新しいアプリケーションへの移行を考える。
それに、XP移行時の騒動を考慮すれば、これからクライアントPCがいつ新しいPCに変わってもいいように、データなどはPCのローカルには置かず、できるだけクラウド、もしくはオンプレミスのファイルサーバなどに置くような仕組みにした方がいい。また、メールなどもOffice 365やGmailなどのクラウド型メールサーバに移行して、クライアントにメールのデータをため込まないようにすべきだろう。
なぜなら、エンドユーザーにとってOSが変わる時の大きな問題とは、新しいPCとなっていままでのデータを移行するのに手間取ったり、今までのデータがどこにあるのか分からなくなったりすることだ。
できれば、ユーザーにクラウドやファイルサーバを使用させるという方法より、自動的にクラウドやファイルサーバに保存されるようにしておいて、PCのローカルにはOSやアプリケーションなどの動作に必要な部分だけがインストールされているようにした方がいい。こうしてしまうと、仕事環境が特定のクライアントPCに左右されなくなるため、価格の安いPCを2〜3年で入れ替えたり、デスクトップとノートPCでほぼ同じ仕事環境を作ったりできるだろう。
Windows 10にするというタイミングは、企業のITを見直すチャンスだ。特に、中小・中堅企業などはIT管理がルーズになりがちだったり、外部のインテグレータ任せになったりしているので、この機会に戦略的なITの利用を考えてほしい。
関連記事
- 2016年のWindows 10アップグレードはどうなるか?
2015年に初の一般提供とアップグレードが行われたWindows 10。2016年はどんな展開が予定されているのだろうか。未確認情報も含めて占ってみたい。 - Windowsのサポートポリシー変更が企業に与える影響は
1月に、Skylakeプロセッサを搭載したWindows 7/8.1に関するサポートポリシー変更発表された。この変更は企業のPC展開やIT環境にどんな影響を与えるのだろうか。 - Windows 7/8サポート、Skylake搭載端末上の場合は2017年7月17日までに
MicrosoftがWindowsのサポートポリシーを変更し、プロセッサがIntelの第6世代Coreシリーズ(コードネーム:Skylake)の端末にインストールしたWindows 7およびWindows 8.1については、サポートを2017年7月17日までとした。 - Windows 10、企業のアップグレードはどうなる?
多くのユーザーが待ち望んでいるWindows 10のアップグレード提供が7月29日から始まる。しかし、企業ユーザーにとっては少し状況が異なるようだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.