第11回 オブジェクトストレージを上手に使うチェックリスト(前編):クラウド社会とデータ永久保存時代の歩き方(2/2 ページ)
オブジェクトストレージをいざ使うとなると、具体的にどんな方法を選択すべきか悩んでしまいます。今回はオブジェクトストレージの上手に使うための10項目をご紹介します。
4.現在と今後3年〜5年の容量
例:現状1ぺタバイト、、年率50%増加
意外とできていないのが、現状のデータ容量の把握と今後のデータ量の増加率予想です。このステップをきちんと実施していかなければ、近い将来のITコストに大きなインパクトを与える可能性が高いといえます。
例えば、膨大な実験データの保管先としてオブジェクトストレージを活用してきた研究機関などでは、研究予算と技術改善の予測値から大まかな将来のデータ量を推定できるでしょう。一方、これまで構造化データだけを処理していた多くの企業の場合はどうでしょうか。
今後IoTデータやビッグデータの活用が求められる一般企業ではこれらの増え続けるデジタルデータの保管に関しての経験はあまりないでしょう。予測も極めて困難で、予想以上にデータ量が増えることが想定されます。実際にビッグデータ活用をしていない企業でさえも、「捨てられないデータ」に苦慮していて、当初投入したストレージの拡張性の制限や、追加購入のコスト、保守コストなどで悩まされているケースが非常に多くなってきています。今後、より先を見越したストレージの選択、導入をしていく必要があるでしょう。
5.単独サイトか、複数サイトか
例:自然災害などからのデータ保護を目的に、北米、アジア、ヨーロッパの3拠点に同一データを保存
自然災害に対するデータ保護、DR(Disaster Recovery)にオブジェクトストレージは向いています。同じデータを世界中の複数カ所へ簡単に配置でき、どこからも読み出せるという特徴はバックアップ、DRに非常にマッチしているでしょう。また、グローバルに拠点を持つ企業でも利用価値は高いと考えられています。
例えば、ある映画制作会社では世界3拠点でデータを共有していますが、そのデータをオブジェクトストレージで共有できれば、4Kから8Kに移行しても、増え続けるデジタルデータを安全にかつ低コストに保管することができます。
次回は残るチェックポイント6〜10について解説します。
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