京都府2市のマイナンバー対応、生体認証で「顔」と「指」に分かれる
京都府の京田辺市と長岡京市が生体とパスワードによる二要素認証を導入。生体認証では京田辺市が指を、長岡京市が顔を選択した。
NECおよびジャパンシステムは3月11日、京都府の京田辺市と長岡京市から二要素認証ソリューションが採用されたと発表した。2市はNECの生体認証とジャパンシステムの多要素認証基盤製品「ARCACLAVIS Ways」を導入するが、生体認証では京田辺市が「指」を、長岡京市が「顔」を選択している。
2市での導入は、マイナンバー制度の本格運用に伴う総務省の「自治体情報システム強靱(きょうじん)性向上モデル」に対応するためのもの。同モデルでは二要素認証について、「知識」「所持」「存在」の3つのうち、2つ以上の採用を推奨する。2市ではともに「知識」(=パスワード)と「存在」(=生体)の採用でセキュリティレベルを高めつつ、シングルサインオンによって複数の業務システムを利用できるようにしている。
生体認証について、京田辺市では庁内の全端末700台にNECの「指ハイブリッド認証技術」、長岡京市では住民基本台帳システム端末180台にNECの顔認証エンジン「NeoFace」を採用し、生体認証の手段が異なる。
「指ハイブリッド認証技術」は、センサに触れた指の指紋と静脈の2つの情報を認証に使う。乾燥状態や血流状況などの影響も受けにくいという。「NeoFace」は、PC内蔵や外付けのカメラに本人の表情を映すだけで認証する。認証後も本人の利用を常時確認して、本人が端末から離れたり、別のユーザーが近づいたりすると瞬時に端末をロックする。
2つの生体認証についてNECによれば、「指ハイブリッドではセンサを使う必要があるものの、2つの生体情報を使うことからセキュリティレベルが高い。顔認証は顔をカメラに映すだけのため利便性が高く、業務への負担が小さい。ユーザーが希望する運用スタイルに合わせてそれぞれの方式を提案している」という。
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