NTTデータは3月28日、米DellからITサービス事業を買収することで正式に合意したと発表した。買収に伴う総額は非公開だが、株式取得および事業譲り受け額は概算で30億5500万ドル(約3465億円)になるとしている。
NTTデータは米国子会社のNTT Data Internationalと、Dell Systems、Dell Technology & Solutions、Dell Services Pteおよび北米中心のITサービス関連事業を買収し、3社についてはDellから発行済み株式の100%を取得する。
同社は中期経営計画でグローバルビジネスの拡大などを掲げており、今回の買収はこの一環になるもの。DellのITサービス事業の取得により、「主に北米地域における事業拡大と同時にクラウドやBPOサービスについても最先端技術を活用したサービス強化を目指す」と説明し、人員体制はDellから約2万8000人を受け入れ、総勢10万人超となる。
Dellから譲り受ける事業の資産や負債、決済方法などは守秘義務により、非公開としている。今後の業績への影響は精査中だが、2016年3月期の連結業績予想には影響しないという。
NTTグループによるDellのITサービス事業買収は以前から報じられてきたが、今回の発表はそれが公式に明らかにされたもの。DellはITサービス事業の売却益をEMCの買収にあてるとみられている。
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