第6回 比較で読み解くソフトウェア定義ストレージの選定術:データで戦う企業のためのIT処方箋(1/4 ページ)
ソフトウェア定義のストレージ(SDS)の製品は、実際にどのように選べばよいのでしょうか。今回は実装方式を説明しながら、2つのステップによる選び方を紹介します。
連載第5回ではソフトウェア定義のストレージ(以下、SDS)製品の分類を説明しました。このうち、ストレージハードウェア型SDSはストレージそのものを提供する一般的な製品ですので、今回は比較が難しいゲートウェイ型SDS製品とサーバベース型SDS製品を中心に説明します。
今使えるSDS製品と選定ポイント
次の図は、ゲートウェイ型SDS製品とサーバベース型SDS製品の構成図です。
「必要なリソースを必要な機能とともに手動や自動で作成して提供する」という結果は同じですが、構造としてはかなり違うことが分かります。
おおまかな違いは、ゲートウェイ型では単体性能や統合管理の面で優位性があり、サーバベース型ではスケールアウト的に拡張ができるという点です。
ゲートウェイ型は、スケールアウトでの拡張が難しいため、上限容量に注意する必要があるのに対して単体のI/O性能に優れます。一方、サーバベース型はスケールアウトで容量を増加できますが、一定のノード数がないと性能が出せないこともあり、単体のI/O性能上限に注意する必要があります。どちらの場合も、容量は増設によってある程度拡張できますが、最大構成としてはスケールアウトが可能なサーバベース型に分があります。
性能については、ソフトウェアを生かしてオールフラッシュアレイやSSDなど高速な物理ストレージを利用することで、ある程度の性能向上を見込めるでしょう。とはいえ、性能要件は後から調整することが難しいサービスレベルの1つですので、十分に注意が必要です。特に接続されるサーバ数が少ない場合には、ノード数が多くても有効活用できませんのでゲートウェイ型に分があります。
それでは、実際の方式選定をステップごとに順を追って説明します。
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