コレ1枚で分かる「クラウドのガバナンス」:即席!3分で分かるITトレンド(2/2 ページ)
「クラウドはガバナンスが効かないから使えない」というのは事実なのでしょうか? 特にパブリッククラウドで問われるこの課題について、「ガバナンス」の本来の意味に立ち返りながら検証します。
クラウドで実現する「ガバナンス」
この視点でパブリッククラウドを評価すると、どうなるのでしょうか。
- 一元管理され、利用状況を計測でき、利用ログを把握できる。
- 必要な時に必要な機能/性能/資源を調達・利用できる。
- 管理の対象が少なく、管理負担が少ない。
なるほど、パブリッククラウドはガバナンスを担保するための要件を満たしているようです。むしろ、一元管理もされず、個別バラバラに導入されているシステムの方が、よほどガバナンスは担保されていません。
こう考えると、「パブリッククラウドではガバナンスが担保できない」と断じることはできないことが分かります。
だからといって、これらの仕組みがあるから、「パブリッククラウドは、ガバナンスが担保できる安心・安全なシステム」だと断じることもまた短絡的な発想です。パブリッククラウドは、カバナンスを担保するための「見える化」の仕組みや「調整・変更」が容易にできる仕組みが整っているということに過ぎません。それらを使いこなさなければ、パブリッククラウドといえども、ガバナンスを担保できるわけではありません。この点については、自社で所有・管理するシステムについても同様であり、本質的な違いはないのです。
著者プロフィル:斎藤昌義
日本IBMで営業として大手電気・電子製造業の顧客を担当。1995年に日本IBMを退職し、次代のITビジネス開発と人材育成を支援するネットコマースを設立。代表取締役に就任し、現在に至る。詳しいプロフィルはこちら。最新テクノロジーやビジネスの動向をまとめたプレゼンテーションデータをロイヤルティーフリーで提供する「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」はこちら。
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