米IBMは現地時間6月30日、データベースソフトウェア「DB2」の最新バージョン「IBM DB2 V11.1」を発表した。DB2のインメモリ技術をクラウドでも使用できるようになった。
新バージョンでは、オンプレミスのアプリケーションをクラウドに実装して、ハイブリッド環境でのデータ活用を想定したアーキテクチャを採用している。同社では、2015年からDB2を月額制のクラウドサービス「IBM DB2 on Cloud」としても提供しているが、今回の新バージョンの機能はIBM DB2 on Cloudでも利用できる。
これにより、ユーザーはデータのワークロードをデータセンターからクラウドに移動でき、移動や拡張による事業中断も回避するという。また、通信中のデータや保存データを保護するように設計しているとし、ハイブリッドクラウドに必要なセキュリティ機能も強化している。
近年は、データセンターで構築されたオンプレミスのシステムとクラウド環境で構築されたシステムをより透過的に利用したいというユーザーが増加。現在は、システムの種類、用途に応じて利用環境を切り分けているケースが多いが、最適な形でワークロードを移動させIT全体の利用効率をさらに向上させたいというニーズが高まってきている。
ここではアプリケーションが大きな課題になるが、オンプレミスでもクラウドでも利用可能なアプリケーションを開発できるデータベース基盤で課題の解消が期待されそうだ。
関連記事
- IBMの「FinTech共通API」、freeeやマネーフォワードら5社と接続検証
IBMは、同社が提供している「FinTech共通API」について、freee、マネーツリー、マネーフォワードらFinTech関連サービスを提供する企業5社と接続検証を実施した。 - データベースのインメモリ化がIT市場にもたらすインパクト
ビッグデータの活用などに向け、データベースをインメモリ化して高速処理を実現した製品が相次いで登場している。この動き、IT市場全体にも大きな影響がありそうだ。 - “限界”を突破する技術、「インメモリデータグリッド」
本連載では、戦略的IT活用を実現する「これからの技術要素」を紹介していく。前回は金融のアルゴリズム取引などに使われている大量データを瞬時に処理する仕組み「CEP」を紹介したが、今回は今後のデータ量の増大にも対処できるテクノロジ「インメモリデータグリッド」について解説する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.