米Googleは8月1日、Androidの月例セキュリティ情報を公開し、深刻な脆弱性多数に対処したことを明らかにした。パートナー各社には7月6日までに通知しており、2016年8月5日以降のセキュリティパッチレベルで脆弱性が修正される。Nexus向けにはOTA(無線経由)でセキュリティアップデートが配信された。
今回のセキュリティ情報も2016年7月と同様に、「セキュリティパッチレベル2016-08-01」と「セキュリティパッチレベル2016-08-05」に分割して公開された。
2016-08-01では計14項目の脆弱性を修正。中でもMediaserverに存在する3件の脆弱性は危険度が最も高い「Critical」に分類されている。悪用された場合、電子メールやWeb閲覧、MMSの受信などによってメディアファイルを処理させる手口でリモートからコードを実行される恐れがある。
2016-08-05のパッチレベルでは、Qualcommのドライバに関連した脆弱性など28項目が修正された。Qualcommのドライバやコンポーネントに存在する相当数の脆弱性のほか、カーネルなどに存在するリモートコード実行や権限昇格の脆弱性がCriticalに分類されている。
Googleによると、今回のパッチで新たに対応した脆弱性の悪用が横行しているという報告は受けていないという。
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メディア処理に使われるMediaserverに関して今回も深刻な脆弱性が多数修正されたほか、Qualcommなどのハードウェア関連コンポーネントに起因するデバイス固有の脆弱性にも対処した。 - 「Androidのユーザーを守った」、Googleがセキュリティ状況を報告
Google Playからのみアプリを入手している端末では、潜在的有害アプリが見つかったのは0.15%未満。セキュリティアップデートの対象となるAndroidは全体の70.8%だった。
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