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コレ1枚で分かる「M2MとIoTの違い」:即席!3分で分かるITトレンド(2/2 ページ)
機器同士がIPネットワーク経由で相互通信する「M2M」と、モノのインターネットと呼ばれる「IoT」の違いを整理し、インターネットの特性であるオープン性を生かしたIoTならではの特長について解説します。
IoTがかつてのM2Mと本質的に違うのは、センサーを搭載した機械やモノの数が桁違いに多いことに加え、インターネットやクラウドというオープンな仕組みの上で使われることです。これにより、企業は自社以外の企業ともつながり、新たな組み合せを生み出すこともできるのです。例えば、
- スマートフォンのGPSを使えば、自分の位置が分かります。そんなGPSのデータを大量に集め、その移動時間やルートを解析することで、地図上に「道路の渋滞状況」を表示させることができます。
- 自動車に組み込まれたセンサーによって運転手の運転の仕方を分析し、運転手ごとに省エネ運転や安全運転のアドバイスを行うことができます。さらにそのデータを保険会社と共有することで、安全運転をしている運転手の保険料を割り引く自動車保険が登場しています。
- 損保会社は、気象情報企業が集めた気象データを用いることで、将来における住宅や設備の損害請求を予測し、悪天候や災害が起こるリスクや影響を地域ごとに定量化することができます。さらにそのリスク情報に基づいて、契約者個別の保険内容を組むことや、財務上のリスクを減らすための取り組みができるようになります。また、天候の悪化が予想される地域を走行しているドライバーにスマートフォンから注意を促し、近辺のスターバックスでやり過ごすように促し、そのための割引クーポンを発行するといったこともできるようになります。それによって事故を未然に防ぎ、保険料の支払いを減らすことができます。
データでさまざまなサービスがつながることで、IoTはビジネスに新しい組合せを生み出すエコシステムを築きます。それが、これまでにはなかった便利で効率のよいサービスや社会システムを登場させる基盤となるのです。
著者プロフィル:斎藤昌義
日本IBMで営業として大手電気・電子製造業の顧客を担当。1995年に日本IBMを退職し、次代のITビジネス開発と人材育成を支援するネットコマースを設立。代表取締役に就任し、現在に至る。詳しいプロフィルはこちら。最新テクノロジーやビジネスの動向をまとめたプレゼンテーションデータをロイヤルティーフリーで提供する「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」はこちら。
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