IoTや人工知能の新規事業を「失敗」させる極意:ITソリューション塾(1/2 ページ)
「IoTや人工知能を使って、うちでも何かできないのか」――。こんな話が経営者から降ってきたときに役立つ考え方と戦略立案に向けたアプローチを紹介します。
新しいテクノロジーを「売る」意味とは?
IoTや人工知能を使って、うちでも何かできないのか?!
こんな話が経営者から降ってきて「さてどうしたものか」と現場が頭を抱えている――。そんな話を耳にすることがあります。世間でIoTや人工知能が話題になっているので、乗り遅れてはいけないといったところでしょうか。
しかし、「IoTや人工知能を使うこと」が目的ではないはずです。何らかの課題を解決したり、新しいビジネスニーズを満たしたりすることが目的のはずです。その目的をはっきりさせないままに、「手段」を使うことを目的に新規事業を考えるというのは、本末転倒な話です。
一方で、IoTや人工知能などのテクノロジーはこれまでの常識を大きく変えてしまいました。これまでにできなかったことができるようになるのです。そんなIoTや人工知能の可能性やビジネスへの影響を正しく理解し、新しいビジネスの可能性を考えることは意味のあることです。
ITベンダーやSI事業者が、これからの新しいテクノロジーを切り口にビジネスのきっかけを切り開こうとすることは、お客さまに課題解決の新たな選択肢を与え、新しいビジネス価値を創造していただける可能性を高めることになりますから、大いに取り組むべきでしょう。しかし、先にも申し上げた通り、「IoTを売ること」や「人工知能使ってもらうこと」が目的ではありません。
- お客さまの課題は何か
- どうすればその課題を解決できるか
- そのための最善の手だては何か
その最善の手だてを考えるとき、「過去の常識」や「これまでの実績や経験」にだけ頼るのではなく、IoTや人工知能などの「新たな手段」をも選択肢とすることです。結果として、IoTビジネスや人工知能ビジネスがうまくいくのだということを忘れないようにしたいものです。
このチャートは、幾つかの「IoTビジネスの成功例」として紹介されたものを「なぜ取り組んだのか」「どのように取り組んだのか」という観点で整理したものです。
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