千葉銀行、ITを活用した次世代営業店の実証実験をIBMと共同で実施
IBMと千葉銀行は、銀行営業店における顧客サービスの向上と業務の効率化を目指し、ITを活用した「次世代営業店モデル」の実証実験を開始。専用端末の導入で、顧客の伝票記入の手間を軽減し、行員の事務作業効率化とサービス向上を実現する。
日本IBMは9月20日、銀行の営業店における顧客サービスの向上と業務の効率化を図るため、千葉銀行とともに「次世代営業店モデル」の実証実験を開始したと発表した。
次世代営業店モデルでは、顧客が取引内容をタブレットのタッチパネルで選択するスタイルを導入し、顧客の伝票などへの記入負担を軽減することを目指す。また、ITの活用によって事務処理時間を削減し、顧客の待ち時間を減らすとともに、捻出した時間を店頭での応対や顧客との相談業務に振り向け、サービスの向上を図るとしている。
今回の実証実験は、千葉銀行真砂支店(千葉市)に専用端末(試行機)を導入して実際に顧客に利用してもらい、意見や要望を本格開発に生かしていくことを目的としている。期間は2016年9月20日〜2017年5月を予定。
試行機は、顧客が取引内容をタッチパネルで選択する「事前受付タブレット」、その入力内容を端末に反映し、入出金・振込・公共料金の支払いなどを行う「スマートステーション(仮称)」、口座開設などの手続きを顧客と職員が対話しながら進める「対話式端末」、テレビ電話で本部の専門人員に直接相談できる「リモート端末」などを導入予定(随時、追加・見直しも行う)。千葉銀行によると、これらの試行機は日本IBM、日立製作所の協力を得て、開発を進めているとのこと。
日本IBMは、国内の銀行チャネルにおけるデジタルバンキングの実現に向け、コグニティブソリューションの活用などの研究開発を進めており、その一環として新製品「スマートステーション(仮称)」や、タブレットを活用した新しいオペレーションスタイルを開発してきた。千葉銀行に対しては、これまでも、海外金融機関の新しい店舗や先進技術の活用事例の視察などを通じて次世代営業店の調査・研究を支援し、コンサルティングプロジェクトによって銀行業務の可視化や改革の基本方針の策定などを支援した実績がある。
関連記事
- 「AWSはIBMメインフレームより閉鎖的」 エリソン会長が徹底“口撃”
Oracle OpenWorld 2016では、IaaS領域にも切り込む同社のクラウド分野への転換が全面的に打ち出された。エリソン会長兼CTOは2回目の基調講演でもAWSへの対抗心をあらわにした。 - メインフレームでブロックチェーン? ダイヤ取引の変革に挑むEverledger
IBM Edge 2016カンファレンスは2日目を迎え、午前のジェネラルセッションにはテクノロジーで新たなビジネスモデルを創造するイノベーターたちが登場した。ダイヤモンド取引の高い透明性に挑む英国の新興企業が着目したのは、ブロックチェーン技術とIBMのメインフレームだった。 - 2016年上半期はマルウェアメールが16.4倍増に――IBM報告書
不正メールの件数は2015年下半期と比較し16.4倍に急増しており、企業の脆弱性対策の強化により、脆弱性を悪用しない攻撃手法のメール攻撃へと移行していると指摘する。 - F1チームに学ぶ、常に進化するプロトタイプでビジネスの未来をデザインしよう
ネバダ州ラスベガスで「IBM Edge 2016」が開幕した。Edgeでフォーカスされる同社のシステム製品は「コグニティブビジネス」の実現を支える機能が盛り込まれてきているという。ITのチカラで常に進化し続けるRed Bull Racingの顧客事例も紹介された。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.