第50回 「自分のスキルは通じる?」 インフラエンジニアのキャリア事情:テクノロジーエバンジェリスト 小川大地の「ここが変だよ!? 日本のITインフラ」(3/3 ページ)
技術者としては、自分のスキルをぜひ知りたいですし、外の世界で力試しをしてみたいものです。その前に知っておきたい“ココヘン”的な事実とは?
「自動化」という名のロボットに仕事を奪われないために
まるでSF映画のような危機ですが、他業種まで視野を広げれば、今に始まったことではありません。
コンピューターによる機械化とは、“自動化”して、人力作業をできるだけ減らすこと。工場の製造ラインやATM、自動音声応答システムなど、さまざまな人力作業がコンピューター技術によって機械に置き換えられてきました。コンピューターの本丸であるITにもその流れが着実に訪れてきているだけです。単純作業を社員とコンピューターで奪い合うのは、コストや処理速度の点で不利でしょう。それでも、先行している他業種では共存を実現しています。
人間がコンピューターより優れる点を挙げるとすれば、“IF文”でさばき切れない状況下における「判断力」。つまり、さまざまな角度から多次元的に検討し、正しく判断できる能力です。具体的には、技術だけではなく、人員や予算のマネジメントなど、別な視点の判断要素を身に着けると、機械と違った、より建設的な提案や判断が可能になるわけです。
もし技術以外の領域に思いあたるものが無いのであれば、商習慣を学ぶのはいかがでしょう。発注・受領・請求・領収といった言葉に疎かったり、日本のITエンジニアは商習慣を軽視する傾向があります。ここをちょっと学ぶだけで、“自動化ロボット”とサバイバルを繰り広げる際に、強力な武器や防具になるはずです。
小川大地(おがわ・だいち)
日本ヒューレット・パッカード株式会社 仮想化・統合基盤テクノロジーエバンジェリスト。SANストレージの製品開発部門にてBCP/DRやデータベースバックアップに関するエンジニアリングを経験後、2006年より日本HPに入社。x86サーバー製品のプリセールス部門に所属し、WindowsやVMwareといったOS、仮想化レイヤーのソリューションアーキテクトを担当。2015年現在は、ハードウェアとソフトウェアの両方の知見を生かし、お客様の仮想化基盤やインフラ統合の導入プロジェクトをシステムデザインの視点から支援している。Microsoft MVPを5年連続、VMware vExpertを4年連続で個人受賞。
カバーエリアは、x86サーバー、仮想化基盤、インフラ統合(コンバージドインフラストラクチャ)、データセンターインフラ設計、サイジング、災害対策、Windows基盤、デスクトップ仮想化、シンクライアントソリューション。
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