住信SBIネット銀行、ローン審査に人工知能を活用する実証実験を開始
住信SBIネット銀行と日立製作所は、日立の人工知能と地理情報システムなどの統計データを活用した住宅ローンやカードローンに関する先進的な審査手法の実証実験を2016年10月1日から開始する。
住信SBIネット銀行と日立製作所は9月30日、住宅ローンやカードローンなどの審査に、日立の人工知能Hitachi AI Technology/H(AT/H)やGIS(Geographic Information System:地理情報システム)などの統計データを活用した実証実験を2016年10月1日から開始すると発表した。
従来ローン審査に利用されてきた年齢や収入などのデータに加え、これまでは活用が困難であった地域別の経済指標や各種データの時系列的な変化をAT/Hで分析し、審査業務への人工知能の活用の可能性を検討する。
背景には、住信SBIネット銀行は、住宅ローンやカードローンなどの個人向けファイナンスに注力しており、さらなる顧客拡大を図るため、ローン審査のスピードと精度の両方を向上する先進的な手法の導入を必要としていたことがある。審査に有効なデータ分析を行うには、長期間を対象にした大量かつ複雑なデータを利用する必要があり、従来の一般的な統計手法では困難だった。
これに対し、日立の人工知能AT/Hは、ビジネスに関連するさまざまなデータを網羅的に分析し、売上やコスト、業務の達成度といった組織のKPI(重要業績評価指標)との相関性が強い要素と、KPIを改善する施策の仮説を効率的に導き出す。特に大量かつ複雑なデータ分析を得意とすることから、ローン審査における有効性に期待できるとしている。
住信SBIネット銀行は、仮説立案と修正を繰り返す伝統的な審査手法から、人工知能を活用した最適仮説の導出とフィードバックを通じて、人工知能が自律的に審査の最適化を図る先進的審査手法への革新を図り、顧客への利便性の向上と社会の発展に寄与する新しい価値の創造に努める構え。
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