そもそも、パッケージソフトとSIを混同してはいけない:【新連載】失敗しない「外資系」パッケージソフトとの付き合い方(2/3 ページ)
読者の皆さんは、パッケージソフトの導入で失敗したことはありませんか? うまく使えばスピード導入につながりますが、一歩間違えるとコストは増えるわ、時間はかかるわで大変なことになります。この連載では、そうならないための注意点やコツを紹介していきます。
パッケージソフトの仕様に文句を言うのは筋違い……なのだが
パッケージソフトウェアを使っていて、何か気に入らないことがあったとしましょう。例えば「このタブの形がもっとこうだったらいいのに」「あっちのソフトはこの機能があるのに、何でこれにはないんだろう」などと思ったら、皆さんはどうしますか?
自分の望み通りに動くものを作る? リバースエンジニアリングで自分が欲しい機能をくっつける? 後者は倫理的に正しいかどうか、という問題はありますが、そんなことを考えたあなたは、ソフトウェア開発者でしょう。
ソフトウェアを利用する大多数の人は、気に入らないことがあった場合、そのまま使い続けるか、別のソフトウェアに乗り換えるかの2択だと思います。次のバージョンに自分の希望が反映されるよう、熱心に製造元に対してメールを送り続ける人もいるかもしれませんが、「何で俺の思った通りに動かないんだ? すぐ直せ!」とクレームをたたきつける人はほぼいないと思います(いないと信じたい)。
ソフトウェアの開発者は、特定のユーザーだけのためにソフトウェアを開発、販売しているわけではありません。提供する機能は「作る側」が決めるのがパッケージソフトウェアの世界です。
ところが、1ライセンス数千円のパッケージソフトウェアであれば、それが当たり前でも、数千万円や数億円という企業向けパッケージソフトウェアの取引となると、話が変わってきます。「何で俺の思った通りに動かないんだ? すぐ直せ!」とクレームを言う人が出てくるのです。
1ライセンス数千円でも、1回の取引が数千万円や数億円でも「パッケージソフトウェア」の本質は同じ。利用者は自分が価値を感じる(対価を支払ってもいいと思える)製品を市場から調達し、ツールとして活用する。ソフトウェアの開発責任は開発企業にあり、それが市場で生き残れるかどうかも開発企業の責任です。利用者に責任を転嫁できるものではありません。
しかし、日本ではその状況がやや異なります。
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