中古のタブレットから見つかった通信教育利用者の大切な情報:ハギーのデジタル道しるべ(1/2 ページ)
筆者の友人が中古品市場でベネッセが提供していたタブレットを発見した。それを調べてみると、さまざまなデータが残っていたのだ。同社の対応も含めて報告したい。
筆者の友人がリユース・リサイクル市場を調査したところ、「興味深い事実が判明した」と相談をしてきた。友人は国産のスマホやタブレットのデータ消去ソフトの開発を行っている技術者であり、仕事の一環として調べていた時に発見したという。今回はその件について、友人の承諾を得たのでここに報告したい。
その発見というのは、ベネッセが提供していた「ベネッセチャレンジ・タブレット」(現在は「チャレンジタッチ」)についてだ。同社はさまざまな年代に教育サービスを行っている。友人によると、中古市場のオークションで入手したのが、下の写真にあるタブレットであった。価格は2000円ほどだったという。
こういう機器が中古市場に流通し、売買されていることは不思議だが、世間には数多く存在しているため、ベネッセだけではないだろう。
筆者と知人は、試行錯誤しながら操作方法を覚え、この機器からいくつかの情報を見つけた。本来この端末は、子供たちの学習用に設計されたものだが、管理者権限を持つことによって市販のタブレットと同様の機能を使うことができる。具体的には以下のデータが消去されず残っていた。
- 使用者の氏名(状況によっては住所)
- 登録したメールアドレスのアカウント、メールの内容
- Facebookの内容
- Google Playの利用内容
- LINEのアカウントを利用していること
しかもメールアドレスやFacebookのアカウントなどは有効のままであり、メールも届いているようである。機器本体に登録されているGoogleアカウントのGmailともリンクしているということだけは状況から判断できた。
気になるのは、なぜこれらの情報が残されたまま、第三者に売り渡されたのか、ということだ(中古業者に販売していいかどうかは別の問題かもしれないが)。その理由もすぐに判明した。
※……当該タブレットで提供されていた以前のサービスと現行サービスは異なり、初出時の一部表記に誤りがございました。
関連記事
- 初期化しても消えません――繰り返されるデータ消去の落とし穴
メモリカードやHDDを初期化しても実際のデータは消えない。この点を最近の若い世代は意外と知らないようだ。近年人気のSSDでのデータ消去も含めて解説したい。 - データは消えない――メモリカードやUSBメモリに潜む落とし穴
メモリカードやUSBメモリに記録したデータを「消した」と思っても、完全には消えずに復元できてしまう。第三者に機密情報が知られてしまう恐れがあるのだ。 - 転勤や退職で知っておくべき情報セキュリティ
多くの企業で年度末への対応と新年度への準備が始まり、転勤や退職を控えている人も少なくない。人事異動や退職で気をつけるべきセキュリティとは? - もし自分が急死したら…… 会社における「デジタル遺品」対策
故人のPCやデータといった「デジタル遺品」は生前での対応を誤ると、周囲に迷惑が及ぶ。それはプライベートだけではなく、実は仕事や職場でも同様だ。2つの例から注意点を解説する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.