第31回 Docker Swarmクラスタのオーバレイネットワークを構築する方法：古賀政純の「攻めのITのためのDocker塾」（3/7 ページ）

複数の物理サーバで稼働するコンテナ同士の通信を可能にするには、Docker Swarmを用いたオーバレイネットワークを構築します。前回はその概要について解説しましたが、今回はこの環境を構築する方法を紹介します。

[古賀政純（日本ヒューレット・パッカード），ITmedia]

独自のオーバレイネットワークを作成してみる

　こうしてSwarmクラスタを作成できましたので、ビルトインされているオーバレイネットワークを確認してみます。Dockerが管理するネットワークを確認するには、dockerコマンドに「network ls」を付与して実行します。マネージャノード、または、ワーカノードで実行してみてください。

n0121 # docker network ls
NETWORK ID          NAME                DRIVER              SCOPE
19871b8c7bd3        bridge              bridge              local
bccac0983340        docker_gwbridge     bridge              local
2326d956ea04        host                host                local
00vpz5x5v0xh        ingress             overlay             swarm
b82a493f6ae0        none                null                local

　Docker 1.12からビルトインされているオーバレイネットワーク「ingress」が表示さています。「DRIVER」列に「overlay」と表示されているものがオーバレイネットワークを意味します。今回は、コンテナ同士が通信に使う独自のオーバレイネットワーク「mynet01」を作成します。ネットワークアドレスが「172.19.0.0/24」のオーバレイネットワーク「mynet01」を作成するには、以下のように実行します。

n0121 # docker network create -d overlay --subnet 172.19.0.0/24  mynet01
ckul6bxtezcb817927qzvuln4

　作成したオーバレイネットワークを確認してみます。

n0121 # docker network ls
NETWORK ID          NAME                DRIVER              SCOPE
19871b8c7bd3        bridge              bridge              local
bccac0983340        docker_gwbridge     bridge              local
2326d956ea04        host                host                local
00vpz5x5v0xh        ingress             overlay             swarm
ckul6bxtezcb        mynet01             overlay             swarm
b82a493f6ae0        none                null                local

　オーバレイネットワーク「mynet01」が作成できていることが分かります。以上で、オーバレイネットワークmynet01により、複数の物理サーバのコンテナ同士が通信できる環境が整いました。