コレ1枚で分かる「Docker」:即席!3分で分かるITトレンド
開発担当者と運用担当者が連携する「DevOps」。これを可能にするコンテナ環境のメリットと、コンテナ管理ソフトウェアの代表格といえる「Docker」について解説します。
この連載は
カップめんを待つ間に、電車の待ち時間に、歯磨きしている間に“いまさら聞けない”ITトレンドが分かっちゃう! 今さら聞けないITの最新トレンドやビジネス戦略を、体系的に整理して分かりやすく解説する連載です。「この用語、案外、分かっているようで分かっていないかも」「IT用語を現場の社員にもっと分かりやすく説明できるようになりたい」――。情シスの皆さんのこんな課題を解決します。
コンテナ管理ソフトウェアが、ハードウェアやOSごとの違いを吸収してくれるため、既にアプリケーションやミドルウェアの稼働が確認されているコンテナであれば、他のサーバに移して動かしても確実に動くことが保証されます。(※参照: コレ1枚で分かる「仮想マシンとコンテナの違い」)
この特性を利用すれば、アプリケーション開発者は、OSやインフラの違いを意識することなく、アプリケーションを開発することができます。また、運用管理者は、「コンテナ管理ソフトウェア」でOSやインフラの安定稼働を保証しておけばいいわけで、これまでのようにアプリケーション開発者と運用管理者がアプリケーションごとに本番環境への移行を個別に相談し、対応しなくてもよくなります。
アプリケーション開発者は迅速にアプリケーションを開発、変更してユーザーに提供する、一方で運用管理者はシステムを安定稼働させるといったように、それぞれの責任を独立して果たすことができるようになり、本番環境へのデプロイメント(移行作業)は迅速、頻繁に行えるようになり、アプリケーション開発や変更のメリットをユーザーが直ちに享受できるようになるのです。
このようなコンテナを実現する「コンテナ管理ソフトウェア」の1つとして、ほぼ業界標準となっているのがDocker社が提供する「Docker」です。
Dockerが注目されるようになったのは、Dockerで動作が保証されているコンテナを生成する設定を「Dockerfile」として公開し、それを他のユーザーと共有できる仕組みを設けた点にあります。これによって、他のユーザーが作ったソフトウェアとそれを動かす手順を他のサーバでもそのまま再現できるようになったことです。そのためハイブリッドクラウドやマルチクラウドといった異なるOSやインフラでも動作保証される便利さが注目されているのです。
このような機能を持つDockerは、AWSやGoogleなどのクラウドサービスプロバイダーをはじめ、VMware、IBM、Dell、Red Hatなどの大手ITベンダーが採用を表明しています。
またDockerは、もともとはLinux用に作られたものですが、MicrosoftもWindows Serverや自社のクラウドサービスであるAzure Platformでの採用を表明しており、コンテナ管理ソフトウェアとして広く普及しつつあります。
著者プロフィル:斎藤昌義
日本IBMで営業として大手電気・電子製造業の顧客を担当。1995年に日本IBMを退職し、次代のITビジネス開発と人材育成を支援するネットコマースを設立。代表取締役に就任し、現在に至る。詳しいプロフィルはこちら。最新テクノロジーやビジネスの動向をまとめたプレゼンテーションデータをロイヤルティーフリーで提供する「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」はこちら。
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