企業内でのOpenStackの利用状況と導入メリット:仮想化&ストレージの基礎と最前線(2/2 ページ)
企業から注目を集めている、オープンソースのクラウド基盤構築ソフトウェア「OpenStack」について、その構成コンポーネントや特徴を整理しつつ、導入メリットを解説します。
日本企業の導入例
日本の企業でもOpenStackを導入して自社クラウドを構築している企業も増えています。特に、キリンや大手のITをサービスではクラウド基盤ソフトウェアとしてOpenStackを既に利用しています。
従来は400個のシステムを2000台のサーバで稼働していたキリンですが、環境もWindowsやLinux、UNIXと、システム自体の統一ができていなかったようです。また中にはサポートの有効期限が切れたりすることもあり、NTTデータの方からプライベートクラウドを構築するよう提案したところ、2016年から導入され、コスト面でサーバあたり75%のコスト削減効果があると見込まれています。
データ管理におけるソリースとして注目を集める
またキリンは、自社の「Kirin EA」と呼ばれるWebアプリケーションを構築し、社内で社員が情報の共有を行い、サーバ環境のテストでは自動化を行います。さらに、インベントリ情報の収集も自動化することが可能なので、メタデータを収集してからデータの移行も行うことができ、Kirin EAでの管理が簡単かつ便利になりました。
自社の情報管理をもっと効率化し統一することで、ムダな情報や必要な情報を分析して分けることが可能になり、さらに簡潔化することができます。リソースの効率利用のためには、まさに最適化してくれるソフトウェアなのです。管理機能をまとめ、統合したのがOpenStackで、さらなる企業や団体でのデータ管理におけるソリースとして注目されています。さまざまなIT企業のシステムが盛り込まれていて、クラウドソーシングをより効率化して使いやすさを考慮しており、安全面でも信頼性の高いサービスです。
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