AWSを使うとどれだけ安くなるのか、ならないのか:ITソリューション塾
パブリッククラウドを使って“安く”するための留意点とは? AWSの場合を例に、「オンプレミスのシステム構成をそのまま移行する場合」「オンプレミスのアーキテクチャを残しつつAWSサービスを生かした場合」「AWSサービスを最大限生かした場合」の3パターンを見てみると……。
「パブリッククラウドを使えば安くできる」
そう“信じている”人も少なくないようです。しかし、それは、パブリッククラウドをどのように使うか次第です。
ここに紹介させていただくのは、NECソリューションイノベータ 北海道支社で、SIerへのパブリッククラウドやアジャイル開発の適用に取り組んでいる能登谷元博さんのチームが実証したレポートです。
2015年3月20日時点での料金を前提に算出したもので、今はもっと安くなっているでしょう。しかし、使い方次第で、こんなにも費用が違うということには驚かされます。
この事例は、アンケート登録/集計システムといったありがちなWebシステムを題材に、以下の3つのケースを比較したものです。
- オンプレミスのシステム構成をそのままにAWSに移行した場合
- オンプレミスでのアーキテクチャをそのままにAWSのサービスをできるだけ生かした場合
- AWS Lambda(サーバレス)などのAWSならではのサービスを最大限活用した場合
CIer(クラウドインテグレーター)を目指そうというSIerは少なくありません。しかし、オンプレミスのシステム環境をそのままにIaaSへ移行するだけで、CIerにはなれないことをこの例は如実に示しています。
全てのアプリケーションが、3つ目のケースと同様のやり方で実現できるわけではありませんが、パブリッククラウドのサービスを最大限生かせば、大幅にコスト削減に寄与できる場合も多いのではないでしょうか。このような提案ができることこそ、CIerの真骨頂といえるでしょう。
著者プロフィル:斎藤昌義
日本IBMで営業として大手電気・電子製造業の顧客を担当。1995年に日本IBMを退職し、次代のITビジネス開発と人材育成を支援するネットコマースを設立。代表取締役に就任し、現在に至る。詳しいプロフィルはこちら。最新テクノロジーやビジネスの動向をまとめたプレゼンテーションデータをロイヤルティーフリーで提供する「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」はこちら。
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