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金になる“重要なデータ”って、どこにあるんですか?:DMP成功まで、あと1センチ(11)(3/3 ページ)
「データは現代の石油」なんて言葉があるように、データにはビジネスを変える大きな価値があるわけですが、そのデータには3種類あることを把握していますか? 目的によって集めるデータを変えていかないと、集めただけで意味がなかった、なんてことも……。
本当に重要な「データ」とは何か?
ビジネスにおける“本当に重要なデータ”とは、仮説を立証するために必要なデータを指します。仮説が立証されるまではそのデータが必要だったかどうかは分からないのですが、だからといって、やたらめったらデータをあさっても意味がありません。目星をつけたり、必要なデータを絞り込む方法はあるのです。
例えば「今あるデータと気象情報を組み合わせれば、何かが分かりそう」という議論になったら、以下のように反証してみましょう。
- ユーザーは雨が降れば(晴天になれば)、行動を変えるのか?
- 私たちは自らの手段で雨を降らせる(雲一つない晴天にする)ことができるのか?
- できないのであれば、代替案としてどのようなアクションが思い付くか?
「あったらよさそうなデータ」というのはいろいろと思い付くかもしれませんが、データ分析においては、他にも「ビジネスにおいて有用か」「再現性が高く、検証可能である」ということもあります。
そこで1つの目安として、「その仮説が正しかったとして、得られる効果が大きい、またすぐに着手できる」順番を決め、それを重要なデータだと見なす手法があります。以下のような図にプロットすれば、この場合は、施策Dを証明するために必要なデータは重要だと判断できます。質と量、相反するメリットを補い合うことで、DMPの持つポテンシャルは高まっていくのです。
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