一生の財産、「朝のゴールデンタイム」を手に入れる:ITソリューション塾
会社員にとって、“何をどう勉強するか”よりも大切なのは、「朝のゴールデンタイム」を手に入れること――。明日から“意外と使える朝時間”を見直してみませんか?
「どんな本を読めばいいのでしょうか」「どこから勉強すればいいのでしょうか」「どこのサイトがお勧めですか」
新入社員研修で、必ずこんな質問をされる。そんな彼らに、私は次のように応えている。
「あまりいい質問とはいえないな。“これについて勉強したいのだが”とか“何を読めばいいのか”とか、“どこから勉強すればいいのか”、という質問であれば答えようもあるけど、それでは答えようがない」
「自分はどうしたいのか、自分はどう考えたのか、このように理解したがコレでいいのか、そんな質問をしてほしい。そうすれば、相手も答えられるだろうし、あなたは新しい知識を確実に手に入れることができる」
「自分で考えない質問は、相手に無用なストレスを与えてしまう。混乱するし、困ってしまうだろう。それは相手に対して失礼なことだとは思わないだろうか。これは、会社の人やお客さまに対しても同じこと。そういう相手への気遣いもまた社会人としてのマナーだと思うよ」
こんな話をすると、彼らの背筋が伸び、講義への向き合い方が変わる。そして、いい質問が出てくるようになる。そして、こんなことも彼らに伝えるようにしている。
「何を勉強するか、どう勉強するかも大切だが、それよりも大切なことがある。何だと思う?」
彼らは何だろうと辺りを見回し、ざわつきが聞こえてくる。
「勉強は大切だし、こんな質問が出るくらいだから、勉強したいと思っているはずだ。では、勉強するためには何が必要だろう?」
「時間だよ。まずは勉強する時間を作ること。それも、毎日確実に。社会人であれば、勉強しなきゃやっていけない。何を勉強するかは、その時々でやるべきコトをやればいい。しかし、そのための時間がなければ、勉強はできない」
「まずは目標を見つけ、決心してから行動する。これはうまくいかない典型的パターンだ。まずは、カタチから入ること。つまり、毎日の決まった時間を作ることから始めてみてはどうだろう。例えば朝の就業前、人より早く会社に来るのもいいだろうし、近くのカフェでもいいだろう。とにかく、そういう行動習慣を作ることだ」
「朝起きたら、トイレに行かなければ気持ちが悪いだろう。たとえ出なくても座らなければ心が落ち着かない。朝起きて歯を磨かなければ気持ちが悪くて我慢できないだろう。それと同じように、朝の1時間、自分の時間を作れないと気持ちが悪いと感じられるような習慣にすることだ」
「毎朝1時間、自分の勉強のために使えば、毎週1日研修を受けているようなもの。これを2年続ければ、大学院を卒業できるだけの時間を手に入れることができる。そんなささやかな習慣を身に付けることから始めてみてはどうだろう。間違いなく、あなたの一生の財産になる。だから、私はこの時間のことを『朝のゴールデンタイム』と呼ぶことにしている。私も新人の頃からそうやって来たが、本当に良かったと思っている」
「仕事になれていない君たちは、要領が悪いから、先輩たちよりも時間がかかるのは仕方がない。そのために遅くまで仕事をすることもあるだろう。また、何をするのか自分で決められるわけではない。だから就業時間はめいっぱいで、夜は疲れ果ててしまう。だから夜時間を作ることはかなり難しい。そうなると自分のための時間は朝しか作れない。だから、朝の時間を大切にしなくちゃいけない」
そんな一生の財産を手にしてみるのはどうだろう。
著者プロフィール:斎藤昌義
日本IBMで営業として大手電気・電子製造業の顧客を担当。1995年に日本IBMを退職し、次代のITビジネス開発と人材育成を支援するネットコマースを設立。代表取締役に就任し、現在に至る。詳しいプロフィールはこちら。最新テクノロジーやビジネスの動向をまとめたプレゼンテーションデータをロイヤルティーフリーで提供する「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」はこちら。
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