日立、ブロックチェーンの利用環境をクラウドサービスで提供
日立製作所は、ブロックチェーン技術の開発・検証環境「Blockchain PoC環境提供サービス」を発表。併せてブロックチェーン技術を活用したトレーサビリティ管理システムのプロトタイプを提供し、サプライチェーン分野におけるブロックチェーン技術の活用を推進する。
日立製作所は5月9日、ブロックチェーン技術の利用環境を提供するクラウドサービス「Blockchain PoC環境提供サービス」の販売を開始した。
同サービスは、オープンソースの分散型台帳フレームワーク「Hyperledger Fabric」の利用環境を提供するもの。ブロックチェーン技術を活用したアプリケーションプログラムの開発や適用可能性の検証などを迅速かつ容易に行えるという。システム検証環境を提供するクラウドベースのIoTプラットフォーム「Lumadaコンピテンシーセンター」のサービスメニューの1つとして販売する。
利用料金は、初期費用が20万円から、月額費用が30万円から(税別)。ヘルプデスク、サイバー攻撃検出や脆弱(ぜいじゃく)性診断のためのセキュリティ監視などを実施する基本サービス(月額費用12万円)、SSL VPNの契約が別途必要となる。サービス提供開始は、Hyperledger Fabric v1.0正式版のリリースから1カ月後を予定しているとのこと。
また併せて、サプライチェーン分野におけるブロックチェーン技術の活用促進を目的に、ブロックチェーン技術を活用したトレーサビリティ管理システムのプロトタイプを開発。製造業のサプライチェーン全体における製品販売、部品・材料調達などの情報をブロックチェーン技術で記録し、トレーサビリティ管理を可能にするという。
同社は、このプロトタイプを活用し、協創活動を進め、部品メーカー、完成品メーカー、小売・流通事業者、顧客などの多岐にわたる取引で透明性や信頼性の高いトレーサビリティ管理の実現を目指すとしている。
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