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あなたの会社のデータ統合が進まない「4つの理由」:【新連載】今こそ見直す「データガバナンス」(3/3 ページ)
「マスターデータマネジメント」。少し前に注目を集めたこの言葉ですが、いまだに苦戦している企業が多いのが現実です。その理由について、取引先マスターを例に考えてみます。
私は取引先マスターの構築に苦心する企業の方から、その理由を聞いていますが、必ずと言っていいほど同じような話が出てきます。グローバル企業であってもそうでなくても、そして大企業であっても、中小企業であっても、以下の4つのうち、少なくとも1つ、多い場合は全ての項目が当てはまります。
- 取引先マスターの入力定義が人や部門、地域によって異なる
- 取引先マスター管理についての標準ルールが定まっていない
- 複数のシステム(あるいはExcelなどのスプレッドシート)と業務フローを持っている
- 異なるデータの流入経路(ソース)がある
ここまで取引先マスターの現状と課題を見てきましたが、皆さんの会社ではいかがでしょうか。次回からは、この問題に立ち向かいながら、サプライヤー管理やコンプライアンス、与信管理の分野で一定の成果を得ている事例を紹介していきます。
著者プロフィール:堀雄介
東京商工リサーチ ソリューション開発部 コンサルタント。企業情報データベースや関連アプリケーションを専門としたプリセールス活動に従事。グローバルレベルの与信管理やサプライヤー管理をテーマとした講演も行う。企業情報を構築する調査現場での経験を経て、2012年より現職。
趣味は山登り(奥多摩、丹沢の低山を中心に)、サイクリング(ロードバイク初心者)、スノーボードなど。運動不足解消のためでもあるが、運動後の1杯もまたやめられない。
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