第42回 Dockerイメージを「Quay.io」で管理する(準備編):古賀政純の「攻めのITのためのDocker塾」(2/3 ページ)
ホステッドレジストリは、一般に「Docker Hub」が有名ですが、今回はNASAやeBayも利用しているホステッドレジストリの「Quay.io」を使って、実際にDockerイメージを管理してみます。
Quay.ioにDockerイメージ用のリポジトリを作る
ユーザーアカウントの有効化とホステッドレジストリサービスへのログイン
しばらくすると、Quay.ioから、登録したメールアドレスにメールが届きますので、メールに含まれる「Confirm Email」のリンクをクリックします。すると、ユーザーカウントが有効になり、Quay.ioにサインインできます。自動で大量にユーザーを作りたいと人もいるかもしれませんが、クラウドサービスの場合は、「メールを開封し、クリックする」という人間による手作業を入れることで、ロボットによる外部からの自動迷惑アカウント作成という攻撃を防ぐ必要があり、このような手続きを行う必要があります。再度、Quay.ioのトップページに戻り、画面右上の「Sign in」をクリックすると、サインインの画面になりますので、ユーザー名とパスワードを入れてQuay.ioにサインインします。
Quay.ioにサインインした後の初期画面
これで、Quay.ioが提供するホステッドレジストリのサービスを30日間無料で使用できるようになりました。サインインすると、以下のような画面になります。
Quay.ioでDockerイメージ用のリポジトリを1つ作成してみる
まだこの時点では、Dockerイメージ保管用のリポジトリがありませんので、リポジトリを1つ作成してみます。今回は、ホステッドレジストリをクラウドサービスとして利用し、Quay.ioが提供するクラウド基盤上にリポジトリが作成されますので、手元のマシン(Dockerホストなど)にリポジトリは作成されません。クラウドサービスの場合は、「リポジトリの作成」といっても手元のDockerホスト側を意味していませんので、混乱しないようにしてください。画面中央の検索窓の右隣にあるプラス記号「+」のアイコンをクリックすると、プルダウンメニューが表示されます。プルダウンメニュー内の「New Repository」をクリックします。
パブリックリポジトリにするか、プライベートリポジトリにするか
リポジトリの作成画面では、リポジトリ名(今回は、testrepo01としました)を入力し、リポジトリのタイプとして、パブリックリポジトリにするのか、プライベートリポジトリにするのかを決めます。今回は、パブリックリポジトリにしてみましょう。画面下にある「Create Public Repository」をクリックすると、Quay.ioのクラウド上にリポジトリが作成されます。
リポジトリ「testrepo01」の管理画面
以上でQuay.ioのクラウド上にリポジトリ「testrepo01」が作成されました。これでQuay.ioが提供するホステッドレジストリのユーザー「masazumi_koga」は、「testrepo01」というリポジトリを保持していますので、このリポジトリに対して、手元のDockerホストで作成したDockerイメージをアップロード(docker push)することができます。
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