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ウイルス対策ソフト対抗サービスの利用者を一斉摘発 「サービスとしての犯罪」浮き彫りに
サイバー犯罪集団向けに提供されていた、マルウェアがウイルス対策ソフトウェアに検出されないようにするサービスの利用者が、欧州で一斉摘発された。
欧州刑事警察機構(ユーロポール)は6月14日、ウイルス対策ソフトによる検出を免れる不正サービスを利用していた疑いで容疑者6人を逮捕し、36人から事情を聴いたと発表した。
発表によると、容疑者らはいずれも、サイバー犯罪集団向けに提供されていたウイルス対策ソフト対抗サービスと、クリプターサービスの顧客だったとされる。両サービスは、マルウェアがウイルス対策ソフトウェアに検出されないようにする目的で使われていた。
捜査の第一弾としてまず4月5日に、両サービスに関与した容疑者や利用者をドイツ全土で一斉摘発。6月5日から9日にかけては、イタリアや英国など欧州5カ国で、警察が20カ所の家宅捜索を行って容疑者を逮捕し、大量のデバイスを押収した。
ユーロポールでは2016年から、正規の匿名サービスや暗号化サービスが悪用され、検出や捜査を不正に免れる目的で使われていると警告していた。今回のケースで改めて、「サービスとしての犯罪」モデルが犯罪者向けにインターネット経由で提供されている実態が浮き彫りになったと指摘している。
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