日本マイクロソフトとパナソニック、パブリックセーフティ分野で協業
日本マイクロソフトとパナソニックは、世界の主要都市での犯罪捜査やテロ、犯罪防止などで実績のある両社の製品をMicrosoft Azure上で連携させ、日本国内向けに提供する。
日本マイクロソフトとパナソニックは6月20日、両社が保有するセンシング技術とクラウド技術を融合し、パブリックセーフティ分野でのシステム構築に向けた協業を開始すると発表した。
マイクロソフトは、警察官や保安担当者の意思判断スピードを向上させる「リアルタイム指揮統制支援」システムを手掛けており、世界の主要都市の警察機関などに納入実績を持つ。
これは、警察機関などが保有する既存システムやデータソース、市中に配備されたセンサーからのアラート、監視カメラの画像管理システムなどと連携して動作するシステムで、各種センサーなどの通知を統合し、捜査のために、人物や場所、時間などを軸に統合検索ができるという。
一方、パナソニックは、ウェアラブルカメラ映像などの証拠を管理するシステムパッケージ「UEMS(Unified Evidence Management System)」を手掛けている。これは、司法警察業界向けのコンテンツマネジメントシステムで、証拠として扱うさまざまな映像、音声、テキストなどのデジタルデータを、それぞれの属性を示すメタ情報とともに、事件発生から立件、裁判、結審までといったデータのライフサイクルに沿って管理する。証拠となるデータをシステム内に取り込んだ時点から改ざん検知機能を働かせ、その完全性を担保する。
今回、これらの製品を日本向けに展開するため、Microsoft Azure上で連携させるという。さらに、パナソニックの画像、音声認識といったIoTセンシング技術を融合することで、異常事態発生の「予兆」を検知できるようにし、「予兆管理」から「指揮支援」、そして「証拠管理」にまでわたる統合システムを開発する。
この統合システムでは、群衆の異常行動などを検知すると、関連地域の地図やリアルタイムのカメラ映像、過去事件情報などを一元的に活用して、警察官を現場へ速やかに配置させるといった運用が可能になり、事件の防止につなげられるとしている。
関連記事
- 第一生命保険、「健康増進サービス」のクラウド基盤にMicrosoft Azureを採用
第一生命保険は、生活習慣改善をサポートする「健康増進サービス」のシステム基盤として、「Microsoft Azure」を採用。ビッグデータ分析とAIを活用し、顧客の健康リスクを評価・分析し、個々人に最適なアドバイスを提供する。 - 授業を爆速でオンライン動画化、静岡大学がマイクロソフトと手を組んだ理由
静岡大学と日本マイクロソフトが、大学教育におけるデジタルトランスフォーメーション推進において協力すると発表した。AI時代に通用する人材育成を目指すとともに、授業の動画化を推進するシステムを開発したという。両者にはどのような狙いがあるのだろうか。 - JAXA、Office 365を活用した職員のコミュニケーション基盤を構築
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、職員向けのコミュニケーション基盤「JAXA Sphere」を構築。場所に依存しない柔軟な働き方で業務や研究開発の効率化、スピード向上を支援する。 - MSクラウドの優位性はどこにあるのか
2018年度に、クラウドビジネスで200億ドルの売上を目指すという目標を掲げ、着実に成長を遂げているMicrosoft。その原動力を、「Build 2017」で発表された新たなクラウドサービスに探る。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.