MSが満を持して投入するコラボツール「Microsoft Teams」の実力は:Microsoft Focus(2/2 ページ)
日本マイクロソフトが満を持して投入したチャットベースのワークスペース「Microsoft Teams」。働き方を変えるどんな機能があるのか?
チームのためのハブとして多くのアプリと連携
この新たなコラボレーションツールを開発する上で、同氏が「最大の決断」とするのが、チャットを中心に、その周りにOffice 365のアプリをはじめとするさまざまな機能を付加した点だ。
「これまでのエンタープライズソフトウェアは、チャットを中心にして開発するという発想はありえなかった。しかし、チャットは既に多くの人に浸透しており、企業でもチャットを使ったコラボレーションが始まっている。海外では『Slack』が、日本では『LINE』が浸透し始めており、こうしたツールを使ってコラボレーションを実現している例が幾つもある。Microsoft Teamsで目指したのは、ソーシャルスペースでの体験を、エンタープライズ用途で求められるセキュアな環境で実現すること。現代の『チーム』のためのチャットであり、これをチームワークのハブと位置付け、そこにOfficeのさまざまな機能や、サードパーティー製の多くのアプリを導入できるようにした」(ダン氏)
ユーザーの利用環境に合わせて絵文字を使えるようにするなどのカスタマイズも可能だ。「セキュリティを強化し、チームが必要とする多くのアプリやツールを使って情報を共有できるようにした。現在、200種類以上のアプリが動作する。Microsoft Teamsは、プラットフォームによるアプローチであり、まさに、OSのようなものである」(ダン氏)
また、19言語に対応しており、Microsoftのコグニティブサービスを利用することで、翻訳をつけた会議記録やメモを共有するといった使い方も可能だ。
「Slackは主に開発者には人気があるツールだが、SlackからMicrosoft Teamsに移行した企業の多くは、開発者以外を巻き込んだ作業を行い、より効果的にコミュニケーションを機能させようとしているケースが目立つ。営業部門、マーケティング部門、管理部門、エンジニアリング部門、サポート部門などの社員が、さまざまなアプリを利用しながら、オープン化した情報を共有し、新たなメンバーが加わった場合にも、これらのオープンな情報を見ることで、プロジェクトにおいてこれまでどんなことが行われ、今に至ったのかといった『流れ』を理解できる」(ダン氏)
また、Visual Studioをはじめ、約40の開発ツールが利用できるのも特徴の1つ。これは開発者が慣れた言語を使えるということであり、Microsoft Teams上で使えるアプリが増えることにつながる。
日本マイクロソフトでは、7月をめどにMicrosoft Teamsのゲストアクセス権を提供予定だ。さらに、プライベートチャネルへの対応、モバイルクライアントに対する投資のほか、音声やミーティング、デバイス、メッセージング、レイアウトなどの改善を行う計画も明らかにしている。
「ゲストアクセス権の提供により、社外の人がMicrosoft Teamsの環境に参加しやすくなる。さらに、IT管理者向けの機能の充実化や、セキュリティの強化、ポリシー適用、レポーティングやツールの拡充も進めていく」という。
Microsoft Teamsによって、具体的にどんな成果が生まれているのだろうか。次回は、Microsoft Teamsを先行導入している国内企業の取り組みから、その効果と課題を探る。
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