これまで以上に前途多難? 「Windows 7サポート終了」認知徹底の難しさ:Microsoft Focus(1/2 ページ)
2020年1月14日の「Windows 7」の延長サポート終了を前に、日本マイクロソフトは「Windows 10」への移行に向けた活動を加速。その真意と、移行を控えたわれわれが留意すべきこととは?
日本マイクロソフトが、早くも「Windows 7」の延長サポート終了に向けた対策に乗り出す。
同社は、2017年7月からスタートした新年度に、2020年1月14日に延長サポートが終了するWindows 7から「Windows 10」への移行に向け、認知度向上の取り組みを本格的に開始することを明らかにした。
これは全世界の動きに比べて早いという。サポート終了までに、まだ2年半というタイミングにもかかわらず、なぜ、日本マイクロソフトは、こうした取り組みを開始したのか。
中堅・中小企業を中心に移行の浸透施策を展開
楽天リサーチが1000社の中堅・中小企業を対象に2017年6月に行った調査では、Windows 7のサポート終了を「知っている」と回答した企業は46%にとどまり、Windows 7からの移行に関する検証、移行は「これから」と回答した企業は67%にも達しているという。
このデータを基に、日本マイクロソフト Windows&デバイス本部 Windowsコマーシャルグループ エグゼクティブプロダクトマネージャーの古川淳一氏は、「2018年6月末までに、中小企業におけるWindows 7の終了時期に関する認知度を100%にまで高めたい」と話す。
同社は、この「認知度100%」という高い目標について、「必ず達成するという強い意思を持った数字」と断言し、そのための施策に取りかかることを明らかにする。
具体的には、「移行、展開、運用に関する支援」「パートナーとの連携」「全国の自治体への情報提供」を柱に展開。「日本マイクロソフト全社をあげた活動をスタートし、最新のクライアント環境への移行を促進する」と語る。
移行、展開、運用に関する支援では、Windows 7を利用しているユーザーに対して、Webなどを通じて延長サポート期間が近づいていることを告知。Windows 10のイメージキャラクターとして日本独自に用意した「テン先輩」を使って、Windows 10の機能や最新のセキュリティ対策による安全性などについても訴求する。
特に企業では、アプリケーションソフトとの互換性が問題になりがちだが、同社では、「Windows 10では95%以上のアプリが動作する」といったデータを提示しながら、Windows 10への移行を提案する。
Windows 10への移行事例も積極的に開示する。約2カ月という短期間でアプリケーションの互換性を検証したソフトバンクテクノロジーの移行事例を示しながら、「アプリの互換性には全く問題がなかった」点を訴求するなど、Windows 10への移行をスムーズに行った例を紹介していく考えだ。
また、パートナーとの連携では、PCベンダーやソフトウェアメーカー、周辺機器メーカーのほか、全国のシステムインテグレーターなどとの連携も鍵になると強調。現在もWindows 7を搭載するPCを販売しているベンダーやシステムインテグレーターに対しては、Windows 10の魅力を訴求することも重要だとしている。
そして、全国の自治体への情報提供では、地方都市でなかなか進まない認知の浸透を是正する狙いがあり、商工会議所などと連携しながら訴求していくことになりそうだ。
日本マイクロソフトの社内には、特に中堅・中小企業への浸透が遅れているという認識がある。「Windows XPのときには、中堅・中小企業や地方自治体で、サポート終了に対する認知度が低く、それが移行の動きを遅らせることにつながった」(古川氏)と反省する。
中堅・中小企業に対していかに認知させるかが、目標達成に向けた鍵になるのは間違いない。
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