Microsoftはなぜ、大幅人員削減に踏み切るのか:Microsoft Focus(1/2 ページ)
セールス、マーケティング部門の人員削減を明らかにした米Microsoft。その規模は数千人規模とみられる。なぜ今、人員削減に踏み切ったのか。
米Microsoftが、セールス、マーケティング部門などの人員削減を実施することが明らかになった。具体的な規模は明らかにしていないが、一部報道では3000人とも4000人ともいわれている。
セールス、マーケティング部門が対象になるということは、各国の子会社も対象に含まれ、当然、日本マイクロソフトも影響を受ける可能性がある。
なぜ、米Microsoftはこの部門の人員削減に乗り出すのか――。この問いに正確に答えるためには、これまでMicrosoftが行ってきた人員削減の延長線上で捉えてはいけない。
クラウドに注力した“コンサンプション重視”の体制へ
米Microsoftは2014年に、1万8000人という大規模な人員削減を行ったことがあり、その大半は買収したNokiaの携帯電話事業に従事するスタッフだった。その後、2016年にも約3000人規模の人員削減を実施している。
だが、今回の人員削減はこれまでのものとは意味合いが異なると見ていい。マイクロソフトが“セールス、マーケティング部門の組織を一から構築し直す”という大手術に取り組む――つまり、約15年に渡って作ってきた組織をいったん、壊そうというわけだ。
一言でいえば、ライセンス販売をベースにしていたこれまでの組織から、クラウドによるコンサンプション(消費)をベースとするセールス、マーケティング体制への移行だといっていい。
既にここ数年、Microsoftは、クラウドをベースとしたセールス、マーケティング体制への変革に取り組んできた。「CSP(クラウドソリューションプロバイダー)プログラム」と呼ぶ、クラウド販売パートナーを対象にした制度を導入したのはその最たるものだろう。
しかし、ベースとなっていたのは、“ライセンス販売に最適化したセールス、マーケティング体制”であり、まるで「パッチを当てながら最新の状況に対応する」ようなツギハギ感があったのは否めない。
だが、そのツギハギにも、いよいよ限界が生じる段階に入ってきたということだろう。Windowsでいえば、これまでのように“パッチを当てる”のではなく、新たなバージョンへ進化させる段階に至ったか、あるいは、まったく異なるカーネルをベースにしたWindowsに作り替える、といったところか。
今回の組織改革は、それくらい大規模な転換が必要だったともいえるだろう。
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