コレ1枚で分かる「クライアントの歴史」:即席!3分で分かるITトレンド(1/2 ページ)
クライアント端末は、いまやWebブラウザでの利用が主流ですが、その始まりは、「テレタイプ端末」と呼ばれるハードウェアでした。コンピュータとともに進化したクライアント端末の歴史をひもときます。
この連載は
カップめんを待つ間に、電車の待ち時間に、歯磨きしている間に“いまさら聞けない”ITトレンドが分かっちゃう! いまさら聞けないITの最新トレンドやビジネス戦略を、体系的に整理して分かりやすく解説する連載です。「この用語、案外、分かっているようで分かっていないかも」「IT用語を現場の社員にもっと分かりやすく説明できるようになりたい」――。情シスの皆さんのこんな課題を解決します。
1950年代、ビジネスコンピュータの黎明(れいめい)期、ユーザーインタフェースは、キーボードとプリンタが一体となったテレタイプ端末といわれるものが主流でした。1970年代に入り、タイムシェアリングの普及とともにブラウン管式のディスプレイ端末が使われるようになります。しかし、表示できるのはモノクロの文字だけでした。その後、カラーで文字表示できる端末も登場しましたが、いずれも「文字(テキスト)」という限られた範囲での表現力しか持っていませんでした。
1980年代に入り、ビジネスの現場でパーソナルコンピュータ(PC)が使われるようになります。そこで、このPCを、当時主流となっていた大型のメインフレーム、オフコンやミニコンといわれた小型コンピュータの端末として使うようになります。当初は、PC上に端末エミュレーターを動かし、テキスト端末として使われるのが一般的でした。
その後、ミニコンやオフコンに加え、PCサーバが登場するころになると、主要な業務処理や組織で共有すべきデータの保管は上位のコンピュータに任せ、入力画面のレイアウトやデータの加工、編集といった比較的軽いアプリケーション処理やユーザーインタフェースに関わる処理をPCに任せるといったように、上位のコンピュータと役割分担するクライアントサーバ方式が普及します。
当時、ネットワークの速度は遅く、上位のサーバコンピュータで表現力豊かな画面データを生成して送るのは、現実的ではなかったためです。そこで、ユーザーの手元にあるPCの処理能力を生かし、高い表現力を手に入れようとしました。
このクライアントサーバ方式を生かした代表的なソフトウェアの1つが、1989年に登場したグループウェア「Lotus Notes」です。
クライアントサーバ方式の登場により、ユーザーは高い表現力を手に入れることができましたが、その一方で、サーバアプリケーションごとにクライアントPC用のアプリケーションを導入しなければなりませんでした。各アプリケーションにバージョンアップやプログラム修正がある度に、全てのクライアントPCをアップデートしなければならないため、運用管理負担が増大することになります。このような多くのクライアントアプリケーションを抱え込んだPCは、「Fat Client(でぶっちょクライアント)」ともいわれています。
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