第47回 Dockerのプライベートレジストリを活用する(運用編):古賀政純の「攻めのITのためのDocker塾」(1/2 ページ)
Dockerプライベートレジストリが構築できたら、実際にプライベートレジストリを使って、Dockerイメージの登録、入手などを行ってみましょう。プライベートレジストリは、閉じたネットワーク環境でのDockerハブのようなDockerイメージ管理が可能になります。
前回は、Dockerプライベートレジストリの構築手順についてご紹介しました。今回は、実際にプライベートレジストリを使って、Dockerイメージの登録、入手などを行う方法を解説します。前回の準備編で、すでにDockerプライベートレジストリが起動できていることを前提に解説します。
DockerプライベートレジストリへのDockerイメージの登録
Dockerプライベートレジストリは、当然ですが、Dockerハブと同様に、Dockerイメージを登録しておかないと、社内のDockerホスト群から利用できませんので、何かDockerイメージをDockerプライベートレジストリに登録してみましょう。まずは、Dockerプライベートレジストリに登録するためのDockerイメージをインターネットから入手します。今回は、Ubuntu 16.04のDockerイメージを入手してみました。
前回と同様に、Dockerプライベートレジストリサーバのコマンドプロンプトを「dpr #」で表します。
dpr # docker pull ubuntu:16.04
この時点で、Dockerハブから入手したDockerイメージ「ubuntu:16.04」は、単に手元のDockerエンジンが稼働するホスト上に保管されただけであり、Dockerプライベートレジストリに登録されたわけではないことに注意しなければなりません。Dockerハブから入手したDockerイメージ「ubuntu:16.04」をDockerプライベートレジストリに登録するには、以下のように、Dockerイメージにタグを付与します。
dpr # docker tag ubuntu:16.04 172.16.1.100:5000/ubuntu:16.04
入手したDockerイメージ「ubuntu:16.04」に対して、「172.16.1.100:5000/ubuntu:16.04」というタグが付与されました。タグが付与されたDockerイメージを確認してみます。
dpr # docker images REPOSITORY TAG IMAGE ID CREATED SIZE registry latest c2a449c9f834 2 weeks ago 33.2MB 172.16.1.100:5000/ubuntu 16.04 d355ed3537e9 4 weeks ago 119MB ubuntu 16.04 d355ed3537e9 4 weeks ago 119MB centos 6.9 573de66f263e 3 months ago 195MB
Dockerイメージ「ubuntu:16.04」に、タグ「172.16.1.100:5000/ubuntu:16.04」が付与されていることが分かります。Dockerプライベートレジストリでは、このタグを指定し、Dockerイメージを登録します。
docker pushによるDockerイメージの登録
では、タグを付与したDockerイメージ「172.16.1.100:5000/ubuntu:16.04」をDockerプライベートレジストリに登録してみましょう。Dockerイメージをプライベートレジストリに登録するには、「docker push」コマンドにタグを指定します。
dpr # docker push 172.16.1.100:5000/ubuntu:16.04
これで、Dockerプライベートレジストリ(172.16.1.100:5000)にubuntu:16.04のDockerイメージが登録されました。これにより、社内LAN内の別のDockerホスト群(クライアントマシン)は、このタグを指定することで、インターネットにアクセスすることなく、Dockerイメージ「ubuntu:16.04」を入手し、Dockerコンテナとして起動できます。
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