ニュース
Kaspersky、独立機関によるソースコードの検証を発表:ロシア政府との関係を巡る疑惑に対し
ロシア政府との関係を巡る疑惑が浮上したことに対応して、Kaspersky Labは同社製品のソースコードを独立機関に検証させると表明した。
ロシアのセキュリティ企業Kaspersky Labは10月23日、同社製品のソースコードを独立機関に検証させることなどを盛り込んだ、透明性イニシアティブを発表した。
Kasperskyのウイルス対策製品を巡っては、ロシアのハッカー集団が仕掛けるサイバー攻撃に利用されていたという疑惑が米国で浮上。米国土安全保障省は、ロシア政府との関係が疑われるとして、連邦政府機関に対してKaspersky製品の使用禁止を通達したと伝えられていた。
同社はそうした疑惑について「陰謀」だとして反論しており、23日に発表した透明性イニシアティブでは、国際的に認められた機関による独立したソースコードレビューを2018年までに開始すると表明した。社内プロセスについても独立機関による検証を行って、Kasperskyのソリューションとプロセスの完全性を確認させるとしている。
さらに、顧客や政府機関などにソースコードや更新コード、脅威検出ルールを検証してもらうため、2018年から2020年までの3年間でアジア、欧州、米国の3カ所に透明性センターを設置する。
Kaspersky製品の脆弱性を発見した外部の研究者に賞金を贈呈する制度については、賞金の額を最大で10万ドルに引き上げると表明した。
関連記事
- 「ロシアがKaspersky経由でNSAの情報盗んだ」、米紙報道
米紙Wall Street Journalは、ロシア政府の関与するハッカー集団がKaspersky Labのウイルス対策ソフトウェアを経由して、米国家安全保障局(NSA)の極秘情報を盗み出したと伝えた。 - 米連邦政府、「ロシア政府とつながりのある」Kaspersky製品を全機関から締め出しへ
米国土安全保障省(DHS)が連邦政府の全庁省に対し、ロシアのセキュリティ大手Kaspersky Labの製品利用を停止するよう命じた。Kasperskyの従業員とロシア政府の諜報機関とのつながりを懸念しているという。Kasperskyはこれに対し、いかなる政府とも非倫理的なつながりはないと主張した。 - Kaspersky、無料ウイルス対策ソフトの提供開始 日本では10月から
「Kaspersky Free」は電子メールとWebのウイルス対策、自動更新、隔離などのベーシックな機能を搭載する。 - Kaspersky製品に脆弱性、セキュリティソフト利用のサイバー攻撃に警鐘
「セキュリティシステムは攻撃の一部に利用される可能性があることを認識し、常にパッチを当てておく必要がある」と専門家は指摘している。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.