AIで野鳥の鳴き声を認識する自然環境調査向けソフト 富士通九州ネットワークテクノロジーズから
富士通九州ネットワークテクノロジーズが、録音音声から野鳥の鳴き声を自動認識するソフト「QSAS-Bird」を発表。ディープラーニングを使った高い認識性能により、調査の効率化と精度向上を実現するという。
富士通九州ネットワークテクノロジーズは2017年12月22日、主に自然環境調査での利用向けに、ディープラーニングを用いて録音音声から野鳥の鳴き声を自動認識するソフトウェア「QSAS-Bird」の販売を開始した。現バージョンは、絶滅危惧種であるシマフクロウのみを対象とするが、順次、対象種を増やす予定だ。
同ソフトウェアは、野鳥の生息域で録音した音声データから野鳥の鳴き声だけを自動で認識し、抽出するもの。野鳥の存在を自動で高精度に確認できることから、自然環境調査の効率化を図れるという。
鳴き声の判定は、富士通独自の雑音抑圧技術とディープラーニングを活用したAI技術により、高い認識性能を実現。スペクトログラム(声紋)表示と音声再生の機能も備えるため、微弱な鳴き声も視聴しながら確認できるという。
富士通と富士通九州ネットワークテクノロジーズは、2012年10月に、シマフクロウ保全のため、生息域調査を実施している日本野鳥の会に、シマフクロウの鳴き声を自動認識し、高精度で抽出する音声認識プログラムを提供し、2017年2月には日本自然保護協会が主催する「日本自然保護大賞」の選考委員特別賞を受賞している。
日本野鳥の会は、この技術の導入により、音声データ解析時間を大幅に短縮するなど、調査の効率化と検出精度の向上を実現し、解析時間の短縮により、調査地域や調査頻度の拡大も可能になったという。
今回販売を開始したQSAS-Birdは、同プログラムを製品化したもの。鳥類の調査用途の個別カスタマイズや、環境調査業務向けなどに、同ソフトウェアを活用した音声解析サービスも提供する。対応OSはWindows 7 SP1、Windows 8.1、Windows 10(64bit版)、対応ファイル形式はMP3とWAV形式(MP3形式時のビットレートは128kbps以上)。
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