なぜ、今「RPA」が必要とされているのか?:【新連載】RPAで始める業務自動化のススメ(2/3 ページ)
業務自動化を支援しているはずが、つながらないシステムを人力でつなぐ、「ゴリ押し」のような業務フローに苦しむ現場を増やしてしまっていた……? RPA導入の最前線で働くコンサルタントが、RPAで成功するための“リアルな話”をする連載が始まります。
つながらないシステムを人力でつないでいる
私もかつて、24時間止まらないデータセンター運用の現場にいたころ、毎朝5時から6時まで、めいっぱい時間を使う作業の当番に当たるのがイヤでたまりませんでした。
しかし、時間はかかるものの、決まった手順で行う作業だったため、スクリプトでの自動化を試みたところ、1時間かかっていた作業を5分に短縮でき、私を含む担当チームは、残りの55分を各自がやりたいことに充てることができるようになりました。
それ以来、私はずっと、お客さまの業務自動化を支援する仕事をしてきたのですが、つい最近まで、こういったプロセスを自動化するような取り組みは、ITを専門としているIT部門のみで行われる先進的なことだと思っていました。営業や人事、財務や総務といった部門の業務自動化は、業務システムを開発、刷新することで達成されるものだと考えていたのです。
ところが、ふたを開けてみると奇妙なことに気が付きました。本来、人の手作業をシステム化するはずの業務アプリケーションが乱立し、つながらないシステムの間を人がつなぐという、本末転倒の現象が起こっているケースが非常に多かったのです。以下のような作業、皆さんは心当たりがありませんか?
- AさんがシステムXにアクセスし、データ(csv)をダウンロードして、Bさんにメールする
- Bさんは、受信したデータを所定フォーマットのExcelシートに転記し、システムYにアップロードする。加えて、CさんにExcelシートをメールで送る
- Cさんは、Bさんから送られたデータと、システムZからダウンロードしたデータを突き合わせるExcelマクロを実行し、その結果をD課長に送信する
これは簡単な例ですが、実際の業務はもっと複雑で、まるで数珠つなぎのように人がシステム間のデータのやりとりや加工を担っています。しかも、業務としては手順書があって定型化されているケースが多く、人間がやらなければならない特別な理由があるわけでもないのです。
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