国内でマルチスキャンとデータの無害化を促進すべくOPSWAT JAPANが設立:Trust no file、Trust no device
米OPSWAT(オプスワット)が日本法人「OPSWAT JAPAN」を設立し、国内での事業展開を本格化する。
いかなるファイルも、いかなるデバイスも信頼しない
2018年3月29日、米OPSWAT(オプスワット)が日本法人設立に関する発表会を開催した。OPSWATは2002年に米国で創立され、企業向けのサイバーセキュリティ対策ソリューションを提供。マルチスキャンやデータサニタイズ(データの無害化)、脆弱(ぜいじゃく)性検出といった機能を単一サーバ上で実現する「MetaDefender」を主力製品として世界に展開中だ。日本ではネットワンパートナーズが1次代理店となり、2018年内に直接の販売を担当する10社以上の2次代理店の獲得を目指す。
なお、2016年12月に日本法人(OPSWAT株式会社)が設立されたが、「当時は事業環境が整わず、一度リセットして2018年2月16日にOPSWAT JAPANを改めて立ち上げた」(代表取締役社長 皆川文哉氏)という。
発表会で米OPSWATのCEO 兼 創設者 ベニー・ザーニー(Benny Czarny)氏は、「OPSWATは“Trust no file、Trust no device”(いかなるファイルも、いかなるデバイスも信頼してはいけない)を掲げている。本社はサンフランシスコにあり、全世界に165人の社員がいて、そのうち100人がエンジニアだ。政府機関や防衛機関をはじめ、さまざまな業界の1000社を超える企業にセキュリティソリューションやサービスを提供している」と同社の概要を説明。
「マルウェアや脆弱性自体についても年ごとに、そして日ごとに増加しているし、サンドボックスにもさまざまな被害をもたらしている。企業がセキュリティに関する費用も増加し、投資を続けているにも関わらず、被害が増え続けているのが現状だ。3000以上の企業が世界でセキュリティソリューションを提供しているが有効な手を打てておらず、検知率が100%ではない上に数値も安定していない。こういった状況を踏まえ、検知以外のアプローチが必要と考えてMetaDefenderを開発した」(ザーニー氏)
MetaDefenderの特徴は、30を超えるセキュリティベンダーから提供される複数のエンジンを使うマルチスキャニングで、企業内に入るファイルを徹底的に検査した上で、怪しいファイルを無害化することだ。ファイルタイプも33種類に対応し、ファイルの持っている有用性を担保する。
米国では、重要なインフラである原子力発電所に採用されているほか、国家安全保障省(DHS)による審査でも高い評価を得ていると実績をアピールしている(ザーニー氏)。
OPSWAT JAPANの代表取締役社長 皆川文哉氏は、「こんなに時代が進歩して、便利なツールがあふれているのにそれを使えず、制約が増えてしまっている現状はおかしい。マルチスキャンという技術は日本で広まっておらず、簡単で早く安く使えるをモットーに、まずは売上よりもっと自由に安心に使える環境を提供していく」と抱負を語った。
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