IoT活用の「お忘れ物自動通知サービス」、横浜市交通局が正式導入:所持品に紛失防止タグを付けてアプリに登録するだけ
MAMORIOは、「お忘れ物自動通知サービス」を横浜市交通局に正式導入する。Bluetooth Low Energy通信機能を備えたタグと専用のIoTゲートウェイを活用したもので、紛失物が届けられると、自動的に所有者に位置情報が通知される。
MAMORIO社は2018年5月15日、「お忘れ物自動通知サービス」を横浜市交通局が正式導入すると発表した。同サービスは、Bluetooth Low Energy通信機能を備えた紛失防止タグ「MAMORIO」と専用IoT(Internet of Things)ゲートウェイ「MAMORIO Spot」を活用したもので、2018年2月1日〜4月30日にかけて実証実験を実施していた。この実証実験で運用上の問題がないことが確認できたことから、MAMORIO Spotの設置箇所を横浜市営地下鉄の9駅と横浜市営バスの10営業所に拡大する。
お忘れ物自動通知サービスは、紛失防止タグのMAMORIOを購入し、所持品にタグを取り付けた上で、専用スマートフォンアプリ「MAMORIO」に登録することで利用できる。タグを取り付けた品物を紛失した場合、MAMORIO Spotが設置されている駅や営業所にその品物が届けられると、タグが発する電波をMAMORIO Spotが検知し、位置情報を自動的に所有者のスマートフォンに通知する。同サービスは、横浜市交通局以外に首都圏の鉄道各社や商業施設にも導入されており、これらのMAMORIO Spot設置場所に忘れ物や落とし物が届けられた場合も通知される。
専用アプリのMAMORIOは、ネットワーク接続、Bluetooth接続、位置情報取得をONにしておくと、タグとスマートフォンが通信できている間、自動的に位置情報を記録し続ける。タグを取り付けた品物を万が一忘れたり、落としたりしてしまったときは、タグとスマートフォンが通信できなくなり、位置情報の更新が止まる。これによって、忘れ物や落とし物をした場所を特定しやすくする。
さらに、「クラウドトラッキング」機能を利用すると、MAMORIOのサービスを利用している他のユーザーのスマートフォンが、紛失中のMAMORIOタグと通信できたときに、その位置情報が持ち主のスマートフォンに届く。ただしこの機能を利用しても、アプリはペアリングしたタグの位置情報しか取得できないため、他のユーザーに自分の位置情報が漏れることはない。
MAMORIOタグは、デザインや大きさ、通信可能距離が異なる3種類が用意されている。重さは2.4〜7g。電池寿命は8カ月〜1年。価格は3500〜4500円(税別)。
関連記事
- 写真と一緒に温度や雨量などを測定――日本ユニシスが農地モニタリングIoT機器を手掛けるKAKAXI社に出資
日本ユニシスは、農地モニタリングIoT機器を開発するKAKAXI社に出資した。日本国内でKAKAXIの事業展開を支援する他、同機器を農地のモニタリングだけでなく、あらゆる生産管理現場のモニタリングデバイスとして広める。 - 安全運転でポイントがもらえる――スマートドライブがIoT搭載のカーリースサービスを開始
スマートドライブは、IoT機器を装着した新車のリースサービス「SmartDrive Cars」の申し込み受付を開始した。安全運転をすることでポイントがたまる他、走行履歴や点検スケジュールといった車に関する情報をスマートフォンで閲覧できる。 - GPS内蔵のIoTシューズで高齢者を見守り――フジクラなど4社が開発
フジクラなど4社は、位置情報取得機能を備えた靴から利用者の位置を検索する見守りシステムを開発した。GPSモジュールを内蔵しながら、履き心地にも配慮した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.