「RPAって誰が開発してくれるの?」「それは“あなた”です」:RPAで始める業務自動化のススメ(4)(1/2 ページ)
従来のシステム開発手法で、RPAのロボットを作ろうとすると、「お手軽さ」「スピード」といったメリットが大きく損なわれてしまいます。それならば、誰が作ればいいのか。それは他でもない「あなた自身」なのです。
ソフトウェアロボットを使って人間の作業を自動化する「RPA(Robotic Process Automation)」。前回の記事では、ロボットがどのように業務を自動化するのか、技術的な観点から解説しました。さて、ではこのロボットは誰が作ればいいのでしょうか。
「誰が作ればいいのか」。この質問自体に違和感を覚える人もいるかもしれません。ここでお話ししているロボットはソフトウェアであり、それを作る(開発する)のは、システム開発会社の仕事だと考えるのは自然でしょう。実際、ロボットの開発を開発会社に委託している企業は多いです。開発現場でも、ロボット化のスコープや要件を決めて、プロジェクトを進めているところも多いのではないかと思います。
もちろん、実績のある従来の開発手法で進めるのは手堅いとは思いますが、ここで皆さん、第1回の記事を思い出してください。なぜ今、RPAが必要とされているのか。その理由を「従来のシステム開発一辺倒では、業務の自動化が難しい時代になりつつある」と説明しました。
それは「システムが部門別にサイロ化している」「システムが完成するころには業務が変わっている」「クラウドの普及で、ユーザーがシステムを作る側から使う側へシフトしてきている」という3つの背景によるものです。
「RPA」を従来のシステム開発手法で作ったらどうなるか?
このような状況で、ロボットを従来のシステム開発と同じ方法で進めたらどうなるでしょうか。容易に考えられるのは、「この業務をロボット化したい!」と思ってから、実際に完成するまで長い道のりをたどる羽目になることです。
まず、どんなロボットを作りたいかをシステム開発会社に説明するところから始まります。開発者があなたの業務内容について全く知らない場合は、一つ一つ作業内容を教える必要があるでしょう。
作りたいロボットの要件を全て伝えても、まだ仕事は終わりません。まっとうな開発会社であれば、どのようなロボットを作るか、設計書に相当するものを出してくるはず。その内容が、自分の期待に沿うものか確認することになります。確認が終わり、開発会社のロボット開発が完了しても、今度はあなた自身がそのロボットをテストする番が回ってきます。そのテストが完了して初めて「完成」といえるのです。
開発会社にシステムを発注した経験があれば、このような工程はなじみのあるものだと思いますが、少なくとも完成までに1カ月、場合によっては数カ月かかることもあるでしょう。これでは、業務を手っ取り早く簡単に自動化できるというロボット化のメリットが大きく損なわれてしまいます。
それでは、誰がロボットを作ればいいのでしょうか。私自身、RPAがシステム開発の新しい風潮だと考えているのは、業務をロボット化したいと願う“あなた自身”がロボット開発者の候補に加えられることです。
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