「サーバレス」は、データベースやコンテナへも広がっている:Publickey(3/3 ページ)
AWS Lambdaの登場以降、各ベンダーで広がりを見せつつある「サーバレス」。最近では、データベースやコンテナにおいても、サーバレスという言葉が使われるようになってきており、その意味合いも少しずつ変わってきているのです。
Googleはコンテナ実行環境をサーバレス化する
コンテナの領域でもサーバレスが登場しています。
Googleは、サーバレスでコンテナの実行環境を提供する「Serverless containers」を、2018年7月にサンフランシスコで開催したイベント「Google Cloud Next '18」において発表しました。
AWS Lambdaに代表されるこれまでのサーバレスコンピューティングは、プログラミング言語の実行系をサーバレスの実行環境で提供しているため、利用者がプログラミング言語を自由に選ぶことができませんでした。
Serverless containersは、文字通り、コンテナの実行環境をそのサーバレス環境とするものです。コンテナとして実行できるものであれば何でも実行できるため、プログラミング言語に縛られることなく、サーバレスなアプリケーションを開発し実行できるようになります。
さらにGoogle、Pivotal、IBM、SAP、Red Hatらが共同で開発しているオープンソースの「Knative(ケイネイティブ)」は、Kubernetes環境でコンテナベースのサーバレスアプリケーションを実現するためのコンポーネント群です。これを利用すれば、クラウド環境に依存せずにサーバレスなアプリケーションを実現できるようになるとされています。
ここまで紹介してきたように、「サーバレス」という用語が示す「プロビジョニングやスケーリング、管理が不要」という特長は、データベースやコンテナなどの幅広い分野の実行環境へ広がりつつあります。
サーバレスという用語は、これまで主にFaaS的なアプリケーション実行環境を連想させました。しかしこれからは、アプリケーションやミドルウェアの特長を示す、より一般的な用語になっていくのではないでしょうか。
この記事は、新野淳一氏のブログ「Publickey」の記事「「サーバレス/Serverless」はデータベースやコンテナへも広がってきた」を許可を得た上で転載、編集しています。
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