スマホで撮るだけで店頭の棚割データを自動作成――NECが画像解析技術を使ったサービス
商品の陳列(棚割)状況を自動で解析し、データ化する「店頭棚割画像解析サービス」の販売を開始。棚割データは、新棚提案やAIによる売り場分析などに活用できる。
NECは2018年9月27日、小売店舗の売場にある商品棚をスマートフォンのカメラで撮影し、商品の陳列(棚割)状況を解析する「店頭棚割画像解析サービス」の販売を開始した。小売業界や食品・飲料・日用品などの消費財メーカー向けに、棚割状態の把握・管理業務を効率化するソリューションとして展開する。
店頭棚割画像解析サービスは、専用のスマホアプリで撮影した商品棚の写真をクラウドに送信し、クラウド上でNECの画像認識技術を用いて陳列商品とその位置を高精度に識別し、データ化(棚割データ)する。
撮影に使うアプリには、画像認識に適した画質かどうかを判定する「画質チェック機能」や、棚の撮影漏れを防ぐ「隣接商品表示機能」などの撮影サポート機能を搭載。誰でも棚割データの取得に適した画像(解像度や明瞭さ)を安定して撮影できるという。
棚割データは、棚割管理ソフトに取り込み、新棚提案業務などに活用できる他、棚割データとPOSデータなどと合わせて分析・予測し、売上拡大へとつなげることも可能だ。
NECによると、同サービスにより棚割状況のデータ化を自動化することで、棚の写真を見ながら手作業で棚割管理ソフトに入力する従来の方法に比べ、作業時間を約10分の1に削減できるという。
「店頭棚割画像解析サービス」の価格(税別)は、グループ内などの複数企業でシステムを共同利用する「マルチテナントコース」が初期費用250万円、月額費用60万円。企業ごとの専用システムを利用する「シングルテナントコース」が初期費用500万円から、月額費用130万円から。
なお、先行ユーザーとして、キリンビールが2018年03月から同サービスを導入している。
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