国内IT市場、2019年はプラス成長で18兆807億円規模、2023年まで2.4%で堅調 クラウドシフトへの対応が鍵――IDC調べ
2019年の国内IT市場は、PC更新需要やシステム改修需要などにより、前年比3.4%のプラス成長の見込み。以降も、クラウドシフトや5G関連のIT投資が伸び、市場全体で堅調な拡大が予測されるという。ITサプライヤーには、クラウドシフトに対応したビジネスモデルの変革が求められている。
IDC Japanは2019年5月23日、国内IT市場の産業分野別/企業規模別の2019〜2023年の予測を発表した。
2019年の国内経済は、米国を中心とした保護主義政策による世界経済の減速リスクが懸念されていたが、グローバル経済は引き続き順調に拡大。大手製造業を中心に多くの企業で高い業績を上げており、2019年から2023年にかけて平均で前年比1.0%増のGDP成長率を達成すると見ている。
2019年の国内IT市場は前年比3.4%のプラス成長
そうした経済状況を背景に、2019年の国内IT市場では、2020年1月の「Windows 7」のサポート終了に伴うPCの更新需要に加え、同年10月に予定されている「消費税増税/軽減税率制度」への対応を目的にした関連システムの刷新、改修が見込まれることから、市場規模は18兆807億円で前年比3.4%のプラス成長を予測している。
特に、既存システムの刷新や「働き方改革」を契機とした業務効率化を目的とする新規のシステム導入/開発が堅調なことから、関連ソフトウェアやIaaS(Infrastructure as a Service)が市場の成長をけん引。また、Windows 7のサポート終了による「Windows 10」への買い替え需要や、消費税増税前の駆け込み需要により、法人向けや教育分野を中心にPC市場も高い成長率を示しているという。
安定した成長を見せるのはどの分野か
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