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Googleが“激戦”クラウド業界に投じた切り札 「Anthos」とは何かGoogle Cloud Next '19 Tokyo(3/3 ページ)

AWSやAzure、IBM Cloudなどの競合がひしめくクラウド業界に、Googleが新たな一石を投じている。それまでの自社製品一択の戦略からマルチクラウド戦略への転換を支える新製品の流れを追った。

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JR東日本はGoogle Cloudを使って鉄道事業を変革へ


Google Cloud Next '19 Tokyoの基調講演に登壇した、Google Cloudの阿部伸一日本代表

 Google Cloud Next '19 Tokyoの基調講演には、Google Cloudの日本代表を務める阿部伸一氏が登壇。「クラウドを使いこなすには、最先端技術を知り、使いこなすプロセスを繰り返し続ける必要がある。これはずっと続くクラウドのジャーニー(旅路)だ」と語った。

 そのプロセスにおいて、同社は「顧客がGoogle Cloudに合わせるのではなく、Googleから顧客に寄り添う」というスタンスを重視。顧客が使うシステムのパブリッククラウド化や、クラウド技術を使った既存顧客のIT基盤の刷新も、これを支える動きの一部だという。

 「結果として、Google Cloudの今の顧客やこの先の顧客にも満足してもらえるカスタマーエクスペリエンスを提供し、生産性を高め収益を上げてもらうことを目指す」(阿部氏)

 基調講演ではDeNA、メルペイ、ガンホーなどの事例も数多く紹介された。それらの中でGoogle Cloudが最もアピールしたかったのが、JR東日本の事例だろう。JR東日本の取締役副会長を務める小縣方樹氏は、「公共交通と先進的なICTは極めて相性が良く、今後はICTの中でもクラウドを使い、顧客業務の改善に取り組む」と話した。


JR東日本の小縣方樹取締役副会長

 小縣氏が語った取り組みの1つが、Google CloudのAI技術を使ったメンテナンス改革だ。JR東日本は、車両や線路のメンテナンスを日々行う。その大半は、一定の期間が経過すると行う、いわゆる「時間ベース」のメンテナンスだが、同社は老朽化や故障の恐れといった、いわゆるコンディションベースのメンテナンスに移行しようとしているという。実際に、顧客を乗せて運行している車両に設置した数多くのセンサーからデータを集め始めていて、AIを適用して適切な交換タイミングなどを予測する効果検証をしている。

 「鉄道事業を行う企業として、都市と都市、人と自然と文化、国と国、世界を1つに、人と人、そして心と心をつなぐ会社になりたい」と小縣氏は語った。

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