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北國銀行が勘定系システムをクラウド化 SLA99.999%の可用性は実現できるのか?Microsoft Focus

北國銀行は、クラウド環境におけるフルバンキングシステム「BankVision on Azure」を2021年夏までに導入すると発表した。この事例に注目すべき3つのポイントとは。

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 北國銀行と日本ユニシス、日本マイクロソフトの3社は、北國銀行への「BankVision on Azure」導入プロジェクトをスタートした。日本ユニシスのオープン勘定系システム「BankVision」の基盤にMicrosoft Azure(以下、Azure)を採用し、2021年夏までに稼働させる。日本マイクロソフトによれば、パブリッククラウドでのフルバンキングシステムの実装事例は国内初だという。

 BankVisionは、日本ユニシスが2007年5月にWindows ServerおよびSQL Serverを基盤として稼働させたオープン勘定系システム。2019年11月時点では、10行の地方銀行に導入されている。北國銀行では、2015年1月からBankVisionを稼働。銀行事務の効率化や営業店窓口での顧客接点強化の他、地域のデジタル化に向けた活動をしてきた。

 日本ユニシスと日本マイクロソフトは、2016年度から共同でAzure上にBankVisionを稼働に向けた検証を開始。2018年4月には、Azureの採用に向けた共同プロジェクトを発足し、Microsoftの本社エンジニアリング部門と連携。BankVision on Azureの実現に向けて、技術、サービス、サポート面から検討を行ってきた。BankVision on Azureは、地方銀行のビジネスモデル変革に向けた銀行業務のデジタル化を推進するとともに、地域産業や地域顧客に対するコンサルティング業務およびデジタル化を支援して、地域のさらなる活性化を実現できるという。

 こうした検討や検証を受けて、北國銀行がBankVision on Azureの採用が決定。北國銀行と日本ユニシスは今後、Azure上でのデータ活用プラットフォームの実現に向けて、銀行データおよび地域データを活用した地域エコシステムの実現を目指すとしている。またクラウドを利用するメリットを最大化するために、コンテナやPaaS(Platform as a Service)などの技術を活用。既存資産を生かしながら、金融サービスの向上や銀行経営の効率化を図る。

 また、北國銀行はシステム開発力の強化を目的に、東京の高度IT人材を取り込み、子会社としてデジタルバリューを設立。デジタルバリューは、FIXERおよび日本ユニシスといったパートナー企業の知見を生かし、北國銀行のバンキングシステムのクラウド化を技術面からバックアップする。また北國銀行が提供するサービスの高度化をシステム面からサポートし、顧客の利便性向上に貢献するという。

 一方日本ユニシスは、BankVision on AzureやオープンAPI公開基盤「Resonatex」を活用して、BaaS(Bank as a Service)事業化の検討を進める。銀行機能を異業種やFinTech企業などにサービス提供し、金融機関の新たな収益機会の創出や、業界の垣根を超えたエコシステムによる新たな価値創造を目指す。


BankVision on Azure(付加価値型バンキングサービスイメージ)(出典:日本ユニシス)

北國銀行のBankVision on Azure導入、注目すべき3つの理由

 今回の北國銀行のBankVision on Azureの導入は、3つの観点で注目される。

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