会話音声から最適なFAQを検索し、応答品質を自動評価――イッツコム、Watson活用の「AIオペレーター支援システム」を導入
イッツ・コミュニケーションズ(イッツコム)は、IBM Watsonを活用した「AIオペレーター支援システム」をテクニカルサポートセンターに導入。音声をテキスト化し、会話ログから最適なコンテンツを検索する機能や、応答品質評価レポートの自動生成機能により、応対品質向上や業務効率化を図る。
イッツ・コミュニケーションズ(イッツコム)は2020年1月29日、日本IBMのAIサービス「IBM Watson」を活用した「AIオペレーター支援システム」を導入し、顧客向けのテクニカルサポートセンターで本格運用を開始したと発表した。
イッツコムのテクニカルサポートセンターでは、同社が提供するテレビ、インターネット、電話、スマートホームなどのサービス利用者向けに、サービス機器の接続や設定、不具合などの技術的な問い合わせを受け付けている。
今回、AIオペレーター支援システムを導入することで、オペレーターと顧客応対品質管理者の業務品質向上や業務効率化を図る方針だ。
AIオペレーター支援システムは、Watsonの音声認識機能「Speech to Text」を活用して音声をテキスト化し、AI検索エンジン「Watson Discovery」で会話ログから最適なコンテンツを検索、提示するシステムで、「IBM Cloud」上で動作する。
Speech to Textは、電話や音声ファイルの音声データをテキストデータに変換するAPI。ディープラーニングを活用し、音響的な特徴と言語知識から高精度にテキストに書き起こす。Watson Discoveryは、大量のデータを検索し、データからパターンや傾向を読み取ることで、適切な意思決定を支援する顧客対応業務支援APIの一種。ナレッジ、FAQ、Webページなどのコンテンツから、意図に沿う関連情報を検索して提示する。
「AIオペレーター支援システム」の導入効果は?
関連記事
- 決済サービスで広がる「金融AI」の使い道とその課題
金融業界では不正検知を中心に人工知能(AI)技術が使われ始め、AI技術を活用した新たな金融・決済サービスも登場しつつある。ただしAIシステムで顧客情報を扱う際のプロセスには課題が残る。 - IBM Watsonと連携するロボットで「健康や食」に関するAI人材の教育プログラム――北海道情報大学、2020年度から提供へ
北海道情報大学では、日本IBMとの連携により、「IBM Watson」を活用したAI教育プログラムを開発。ボール紙ロボット「TJBot」を用いて、「健康や食」に関するアドバイスをするロボットの制作も組み入れた。同大学がテーマとする「食の保健機能研究」を基盤に、地域・社会に貢献できるAI人材の育成を目指す。 - ハイブリッドかつマルチクラウド環境のサイバー脅威に対応、「IBM Cloud Pak for Security」を提供開始
IBMは、ハイブリッドマルチクラウド環境のあらゆるデータについてセキュリティ情報を管理する「IBM Cloud Pak for Security」の提供を開始する。セキュリティインシデントにも迅速に対応できる。 - Red Hat買収の成果は花開くのか IBM Cloud Paksが打ち出すコンテナ戦略とは
IBMによるRed Hat買収発表からほぼ1年。その成果から生まれたのが新たなソフトウェア戦略「IBM Cloud Paks」だ。その強みはどこにあるのか。日本IBMの幹部が今後の戦略とともに語った。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.