2019年の国内エンタープライズインフラ市場は7130億円規模、ベンダーシェア1位は富士通――IDC調べ
IDC Japanによると、2019年の国内エンタープライズインフラ市場は前年比4.1%増のプラス成長で、ベンダーシェアの上位6社は、富士通、NEC、HPE、デル、日立製作所、IBMだった。今後は市場の変化を踏まえた適切な戦略と実効性のある戦略遂行上の仕組みが求められるという。
IDC Japanは2020年6月16日、「2019年の国内エンタープライズインフラ市場のベンダーシェア」を発表した。
併せて、同市場のシステムタイプ別市場規模や動向を基に今後の市場見通しも考察。それによると、2019年の同市場全体はプラス成長となり、ベンダーシェア上位のうち5社は前年比プラス成長を達成した。今後は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響によるIT投資余力の低下やクラウドシフトの加速など、市場の変化を踏まえた戦略推進が必要になるという。
なお、IDCでは、「エンタープライズインフラ市場」とは、「サーバ」と「エンタープライズストレージシステム(外部ストレージ《External Storage》/増設装置《Storage Expansion》のみ)」を合算した市場と定義。
また、「システムタイプ」は、事業活動(商取引)などの記録や処理を行うシステムである「1.SoR(Systems of Record)」、顧客エンゲージメントに関わるシステムである「SoE(Systems of Engagement)」とインサイトを得るためのシステム「SoI(Systems of Insight)」を合算した「2.SoE/SoI」、「システム基盤プラットフォーム」と「機器/装置制御システム」を合算した「3.Other」の3つのカテゴリーと定義し、カテゴリーごとに売上実績を提供している。
2019年のエンタープライズインフラ市場、ベンダーシェア上位6社とは?
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