ニュース
2019年の国内ITサービス市場ベンダー売り上げランキング、トップは常連5社が固守 DX領域の需要が好影響――IDC調べ
IDC Japanによると、2019年の国内ITサービス市場は前年比3.2%の安定成長となり、ベンダー売り上げトップ5には例年上位の主要ベンダーが名を連ねた。DX領域の需要が本格化しつつあることが好影響した。2020年以降は、BCP対策やレガシーマイグレーション、地方需要などが鍵になるとみている。
IDC Japanは2020年7月1日、2019年の国内ITサービス市場におけるITサービスベンダーの売り上げランキングを発表した。
2019年の国内ITサービスベンダーのトップ5は?
2019年の同市場の規模は5兆8558億円で、前年比成長率は3.2%だった。ベンダー売上額の上位5社は1位から順に、富士通、日立製作所、NTTデータ、NEC、IBMとなった。この顔ぶれと順位は2016年から変わっていないという。
2019年の国内ITサービス市場主要ベンダーサービスセグメント別売上額。売上額の算出は、連結ベース、グループ外企業向け、暦年ベースのIDC Japan定義に基づく推定値(Source:IDC Japan, 7/2020)
サービスセグメント別にみると、「プロジェクトベース市場」が、既存システムの大規模更改案件の獲得に加え、デジタル領域の拡大なども寄与して売上額上位10社全てがプラス成長となり、うち8社が5%を超える成長率を示して、市場成長のけん引役となった。
「マネージドサービス市場」も、上位ベンダーのほとんどが堅調に売り上げを拡大し、安定した成長を示した。
「サポートサービス市場」では、ハードウェア保守の長期的縮小傾向のため、上位10社中4社がマイナス成長となった一方、「Windows 10」更新需要に伴うPC特需などが売り上げの拡大につながったベンダーもみられた。
2019年は各業種でのDX領域の需要が本格化か
関連記事
- 2018年国内ITサービス市場のベンダー売上ランキング、1位は富士通、続いて日立とNTTデータがランクイン――IDC調べ
IDC Japanが発表した2018年の国内ITサービスベンダーの売上ランキングによると、1位の富士通をはじめ、例年上位の企業が名を連ねた。一方、前年比売上成長率が高かったのはアクセンチュアだった。ITサービスベンダーには、企業のデジタルジャーニーに対応するビジネス変革が求められるという。 - 国内エンタープライズアプリケーション市場、2020年以降は成長鈍化するも2024年には5631億円規模へ――IDC予測
IDC Japanによると、国内エンタープライズアプリケーション市場は、PLM市場がけん引し、2019年は前年比2.6%のプラス成長だったが、新型コロナの影響により2020年以降は成長が鈍化する見込み。ただし、2021年以降は、ニューノーマルな働き方の定着などによって緩やかな回復基調になる予測だ。 - 世界のDX支出、2020年は10.4%成長の1兆3000億ドル超え、コロナ禍でも堅調の見通し――IDC予測
IDC Japanの予測では、DX向けテクノロジー/サービスに対する世界の支出額は、2020年に前年比10.4%増で1兆3000億ドル超えになる見込みだ。コロナ禍の影響はあるものの、戦略的ビジネスイニシアチブを促進するDXへの投資は継続される見通しだという。 - 国内IoTインフラストラクチャ市場、2024年までプラス成長 IoTエッジ層でのデータ分析ニーズが増大傾向――IDC予測
IDC Japanによると、2020年の国内IoTインフラストラクチャ市場は、前年比5.1%増の1048億円規模になるという。IoTエッジ層でのデータ分析処理ニーズが高まりつつあることから、今後もIoTエッジインフラを中心に市場拡大が見込まれ、2024年まで年成長率14.6%でプラス成長が続く見通しだ。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.