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花王が実践する「スモールマス」マーケ、店舗にいない顧客のデータを追うための地道な実務の中身は(2/2 ページ)

「これからはスモールマスマーケティングの時代だ」と言葉にするのは簡単だが、これを実践するには多数の「人」を介した地道な努力の積み重ねが必要だ。積み重ねさえあればその効果を最大化するためのITを使えばうまくいくことも多い。花王グループの場合はこの点にどんな手を打っているだろうか。同社が実践する新しい顧客接点の作り方について実務担当者が語った。

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全国の顧客と対面するカウンセラーの情報をどうデジタルに載せるか

花王グループカスタマーマーケティング 三澤拓哉氏
花王グループカスタマーマーケティング 三澤拓哉氏

 一方の花王グループカスタマーマーケティングは「LINEビジネスコネクト」を使った個客接点拡大を進める。

 花王グループカスタマーマーケティングの三澤拓哉氏(管理部門営業情報部 ITソリューショングループ)は、OMOマーケティング(Online Merges with Offline Marketing:オンラインとオフラインを融合したマーケティング施策)の強化を目指し、本社と個客窓口部門を担当する4者が分業して接点の拡大と最適化を進める課程にあるという。

 三澤氏もともとはカネボウで東北地区のドラッグストアの営業を担当をしていたという。2016年から現職となり「ビューティーカウンセラー」などの派遣美容部員管理のデジタル化などに従事してきた。

 三澤氏が2019年から取り組むのが、「ソフィーナLINEプロジェクト」だ。LINEビジネスコネクトを使い、顧客接点の拡充を狙う。LINEビジネスコネクトはLINEがAPI形式で提供する企業向けのマーケティング支援サービスである。


(出典:花王グループカスタマーマーケティング)

 三澤氏がマーケティングを手掛ける「ソフィーナ」は花王が持つ女性用美容化粧品ブランドの1つだ。対面でのカウンセリングサービスを展開するのは同社子会社のソフィーナビューティーカウンセリングだ。カウンセリングは各店舗に派遣するビューティーアドバイザーが担い、きめ細かく情報を把握しながら顧客ごとに最適な商品やケア方法を提案する。

 「ビューティーアドバイザー派遣店舗はカウンセリングで顧客と1to1のコミュニケーションをとれていた。一方で、店の外でのコミュニケーションははがきをつかったダイレクトメールの一斉送付でしか接点を作れていなかった」(三澤氏)

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