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Azureは今度こそAWSの牙城を崩せるのか? 2021年、日本マイクロソフトのクラウド戦略を解説しようMicrosoft Focus

2021年度をスタートさせた日本マイクロソフトは、DXの「一丁目一番地」にクラウド戦略を据える。これまでのAzure戦略を超える形でユーザーやパートナー向け施策を強化するだけでなく、Windows ServerやLinuxからの移行も見据えるという同社の新たな取り組みとは。

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 日本マイクロソフトの吉田仁志社長は、デジタルトランスフォーメーション(DX)を「マイクロソフトの戦略そのもの」と位置付ける。

 前回触れたように、日本マイクロソフトは、2020年7月からスタートしている2021年度において「お客さまに寄り添うマイクロソフト」と「マイクロソフト=DX」という基本姿勢を打ち出しながら、日本全体のDXを支援する方針を掲げる。

 同社にとっては、DX実現に向けて「一丁目一番地」といえるテクノロジーがクラウドとなる。だからこそ「Microsoft Azure」(以下、Azure)を中心としたクラウドビジネスの成長には強くこだわっている。

SaaSだけでなく、IaaSやPaaSでも――首位を奪取したいMSの本気

 事業方針説明の会見で吉田氏は「DXや、そこから生まれるイノベーションを推進するのは、ソフトウェアとクラウドコンピューティングである。だからこそ、Microsoftのクラウドサービスとエコシステムが、顧客から注目されている」と語った。

 同氏は「Microsoftは、Infrastructure as a Service(IaaS)からPlatform as a Service(PaaS)、Software as a Service(SaaS)までをカバーし、全世界の63リージョンにデータセンターを展開している。これは、Amazon Web Services(AWS)やGoogleのそれを合わせた数よりも多く、世界最大規模だ。Microsoftは、高速かつ超大規模な分析能力や包括的なビルディングブロックを持つ唯一のクラウドソリューションベンダーである」と話し、同社のクラウドにおける強みを強調してみせた。


日本マイクロソフトの吉田仁志社長

 日本でのビジネスについては「コマーシャルビジネスの半分をクラウドが占めている。これまで掲げてきた『パブリッククラウドで国内ナンバーワン』という目標についても、調査結果によっては、日本マイクロソフトが1位という状況にまできている。今後もこの勢いを増し、どの調査においても、ナンバーワンプレイヤーであることを目指す」と宣言した。

 これは、日本マイクロソフトにおけるクラウド比率をさらに高める姿勢であることを示すとともに、SaaSだけでなく、IaaSやPaaSでも、首位を奪取する姿勢を示したものだといっていい。

 日本マイクロソフトの田中啓之氏(マーケティング&オペレーション部門 Azureビジネス本部 プロダクトマーケティング&テクノロジ部 部長)は「IDC Japanは、2024年までに、国内IaaS市場の年平均成長率を23.6%、PaaSのそれを20.6%と予測しているが、日本マイクロソフトは、その4倍となる80%以上の成長をみせている」と話す。

 吉田社長はこうも語る。

 「日本マイクロソフトのクラウドは、ISV(独立系ソフトウェアベンダー)やパートナーのソリューションやサービスを、レゴブロックのように組み合わせて提案できる点に強みがある。日本マイクロソフトの戦い方や、顧客への貢献の仕方は単にオンプレミス環境にあるシステムをクラウドに移行させるのではなく、ソリューションを中心としてクラウドを提供するという点だ。日本マイクロソフトとパートナーが力を合わせて社会や顧客のDXを支援し、働き方を効率化しつつビジネスモデルを変えることで、企業が次のステップに行くための支援にクラウドを活用していく」

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