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コロナ禍でマイナス成長の国内IT市場、回復へのシナリオは IDC
2020年9月末時点の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を考慮した国内IT市場予測によると、2020年の市場規模は前年比6.3%減の17兆1162億円となる予測。IT支出がCOVID-19感染拡大以前の水準に回復するのは2022年以降になる見込みだ。
IDC Japan(以下、IDC)は2021年1月6日、2020年9月末時点の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による影響を考慮した2020〜2024年の「国内IT市場予測」を発表した。
この調査レポートは、国内IT市場における産業分野別/従業員規模別/年商規模別のIT支出額実績(2018年、2019年)と予測(2020〜2024年)をまとめたもの。
調査レポートによると、2020年のIT市場は、前回調査の2020年6月末時点のCOVID-19による影響を考慮した同予測から1.9ポイント改善し、前年比6.3%減の17兆1162億円と予測している。
IDCによると、COVID-19の感染拡大により国内経済は深刻な影響を受けているが、製造業におけるサプライチェーンの混乱は収まりつつあり、COVID-19の影響を大きく受けた飲食/宿泊/運輸業への経済対策の実施により、市場は経済活動と感染予防の両立を目指した動きになっている。しかしながら、感染の再拡大の兆候も見られることから、有効なワクチンや治療薬が広く行き渡るまでは予断を許さない状況が続くとみている。
2020年のIT市場、ほぼ全産業分野で新型コロナの影響色濃く
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