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3つのメインフレームを「GCP+S/4HANA」へ LIXILのクラウドシフト、データ基盤統合の現在地

2011年に国内企業5社が統合して誕生したLIXILは、海外2社の買収を経て現在7社分のシステム統合とIT基盤改革を推進中だ。顧客データに続き、会計システムの統合とクラウドシフトを推進する。顧客データの近くに会計情報も配置し、「秒」でデータを分析できる環境を手に入れた。

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 LIXILは2011年にトステム、INAX、新日軽、サンウエーブ工業、東洋エクステリアの5社が統合して生まれた企業だ。合併後にはアメリカンスタンダードやグローエを子会社化したため、LIXILグループは実質的には国内5社と海外2社の集合体といえる。事業統合や企業の合併では、組織間の運営方針の違いや業務プロセスの違いが課題となる。管理やもろもろのプロセス整備がかなわなければ、効率化は期待できず、事業統合や合併の効果は半減してしまう。顧客情報の統合などももちろん重要だが、同社の場合、特に課題となっていたのが会計システムだ。


LIXILの岩崎 磨氏

 LIXILの岩崎 磨氏(常務役員 Digital部門システム開発運用統括部 リーダー兼コーポレート&共通基盤 デジタル推進部リーダー)は会計システムについて「エンティティ間の粒度に差が出ていたり、連携が困難になるなど、ロジックが複雑化していました」と話す。こうした事情から、システム間連携ができない部分は人力でデータを連結させざるを得ず、この工程に膨大な工数がかかっていたという。工数がかさむのも問題だが、もっとも問題だったのは、全体の経営状況をすぐに把握できず、リスク判断や意思決定が遅くなってしまうことだ。

 国内に3つの別のメインフレームを抱えていたという同社の会計システム統合とクラウドシフトはどう進んだか。

安定稼働のメインフレームに迫る「期限」

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