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“規制だらけ”の業界にDX 出光の燃料油輸送を変えたアジャイル戦略:「防爆機器しか使えない」現場でデータを集めたい
規制の多い業界にとって、ニーズに合ったデジタル化やDXは難問になりがちだ。コンプライアンスに対応しつつ、競争や変化が激しくなる中で必要なデータを集約し、制限の多い現場の仕事を効率化するために何が必要なのか。
日本の産業界を見渡せば、運輸や小売り、製造といったさまざまな業界で物流のDXが進む。ただし、原料をタンカーで運ぶ場面から加工した燃料油を各地のガソリンスタンド(SS)へ運ぶまでの過程をつなげる燃料油の物流事業には、危険物を扱う特殊な業務ゆえに、規制の障壁や属人化といった課題があるという。
そんな課題を乗り越えてデジタル化やデータ活用を含めたデジタルトランスフォーメーション(DX)を目指す1社が出光興産だ。1911年に創業した同社は2019年に昭和シェルと統合し、燃料油物流の変革に取り組む。
ITmedia エンタープライズ編集部は、業界独特の課題を捉え、協力会社を巻き込んだDXに挑む同社のキーパーソン2人に話を聞いた。前編に当たる本稿は、陸路の燃料油輸送システムを刷新したプロジェクトに焦点を当てる。
(後編はこちら→)海の物流DX 出光が深層学習AIで「複雑過ぎてベテラン頼み」だった配船計画を自動化した道のり
インフラ網を支える“危険物” 燃料油輸送にデータ基盤が必須になった理由
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